大人気剣劇漫画「るろうに剣心」の主人公である緋村剣心(ひむらけんしん)は、かつて“人斬り抜刀斎”として恐れられた伝説の剣客。
作中では“不殺(ころさず)”の誓いを立てて各地を放浪する流浪人であり、困っている人を放っておけないお人好しな人物です。
そんな剣心ですが、なんと病死してしまうという結末を描いた作品が存在します。
しかもその死因が明治時代には不治の病とされていた“梅毒”です。
本記事では、剣心の死亡や梅毒に感染した経緯について解説していきます。
【結論】緋村剣心の死亡は漫画とアニメ(OVA)で違う!
作中で命懸けの闘いを繰り広げる剣心は、常に死亡フラグと隣り合わせな状態です。
結論から言うと、剣心は原作漫画では生存していますが最終的に死亡してしまうアニメも存在します。
「るろうに剣心」が少年誌での連載であったことやハッピーエンドで締めたいという思いから、原作者の和月伸宏先生は剣心を最後まで生かして物語を完結させています。
しかし、連載終了後に発売されたアニメ(OVA)の中には残念ながら剣心が死亡してしまう結末を描いた作品があるのです。
それは、原作漫画の最終回から10数年後を描いた「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-星霜編」。
星霜編では、贖罪の旅に出た剣心が旅の途中で梅毒に感染し衰弱死していくという悲しい結末が描かれています。
2024年10月現在、星霜編はDVDでしか見ることができない為、購入かレンタルを利用するしか視聴できない状態です。
緋村剣心の死因は梅毒?なぜ病気になったのか(星霜編)
星霜編で剣心は死亡してしまうのですが、その死因が梅毒によるものとされています。
梅毒とは、病原体である梅毒トレポネーマが体内に侵入し増殖することで発症する感染症の1種です。
性病の1つとして非常に有名で、現代では感染経路のほとんどが性交渉によるものだと考えられています。
薫と結婚して子供もいる剣心が梅毒にかかったと聞くと旅先での浮気が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、作中での剣心の性格から考えると浮気の可能性は非常に低いでしょう。
実は梅毒は、感染者との性交渉の他にも傷口に直接触れたりすることでも感染してしまいます。
作中で剣心が梅毒に感染するに至った経緯は描かれていませんが、贖罪の旅をしていたことから知らない間に梅毒感染者の怪我人を介抱し、傷口から菌が侵入して感染したと考えるのが自然です。
物語の終盤では衰弱していく剣心と接触したことで、ヒロインの神谷薫(かみやかおる)も梅毒に感染。
2人は寄り添うように死亡し物語の幕を閉じるという悲しい結末となっています。
緋村剣心が梅毒で死亡した年齢は何歳だったか(星霜編)
星霜編で剣心が梅毒に感染し死亡した時の年齢についてですが、40代半ばだと考えられています。
原作漫画の2話で28歳と判明した剣心。
実際は1~2歳ぐらい上の可能性もあるのですが、本編の最終回が人諜編から5年後となっているので計算すると剣心は最終回の時点で30代前半となります。
星霜編は原作漫画の最終回から10数年後を舞台にしている設定なので、剣心の年齢は40代半ばから後半であると計算できます。
明治時代の平均寿命が40代前半とされているので、時代背景で見ると決して若くして死亡した訳ではないようです。
「るろうに剣心」旧作と新作アニメの見る順番については、こちらの記事で詳しく解説しています。
緋村剣心は「るろうに剣心」原作漫画で死亡している?
OVAである星霜編では、梅毒が原因で死亡してしまう剣心。
しかし原作漫画では死亡しておらず、最終回では薫と結婚し1人息子の剣路(けんじ)も生まれて幸せに過ごしています。
さらに連載終了から18年後となる2017年からは最終回のその後を描いている北海道編が連載スタート。
北海道編でも神谷道場で薫の夫として再登場していて生存が確認されています。
緋村剣心の死亡フラグ一覧!幾度となくピンチを乗り越えた主人公
「るろうに剣心」の主人公で、幕末の時代には伝説の“人斬り抜刀斎”と恐れられていた元剣客である剣心。
その設定ゆえに敵から狙われたり大きな事件に巻き込まれることが多く、作中で最も多くの死亡フラグをたてています。
ここからは、数ある剣心の死亡フラグから特に命の危険があったエピソードを4つ紹介します。
観柳のガトリングガンでピンチに
1つ目の死亡フラグは、武田観柳(たけだかんりゅう)がガトリングガンを持ち出してきた時です。
女医である高荷恵(たかにめぐみ)を巡り、実業家の観柳と用心棒として雇われていた隠密“御庭番衆(おにわばんしゅう)”と戦うことになった剣心。
御庭番衆の御頭である四乃森蒼紫(しのもりあおし)との直接対決には勝利するものの、追い込まれた観柳がガトリングガンを持ち出したことで状況は一変します。
観柳は剣心や御庭番衆を抹殺する為にガトリングガンを連射。
刀や拳銃が相手であれば太刀打ちできる剣心も、殺傷能力の極めて高いガトリングガンの前では弾を回避するのがやっとでした。
絶体絶命のピンチを救ったのは、これまで敵対関係だった蒼紫を慕っていた御庭番衆の部下4人。
彼らが命をかけてガトリングガンの囮になったことで、剣心と蒼紫は生き延びることができました。
宿敵・志々雄との激闘
2つ目の死亡フラグは、志々雄一派の元締めである志々雄真実(ししおまこと)との激闘の時です。
煉獄撃沈と京都大火を実行して弱肉強食の国を創り上げようと暗躍していた志々雄は、京都のアジトで剣心たちを迎え撃ちます。
剣心が志々雄と対峙した時、剣心は既に十本刀最強の剣客・瀬田宗次郎(せたそうじろう)との闘いで重傷を負っていました。
それでも志々雄を止める為に剣心は勝負に挑みます。
しかし志々雄は、重傷を負っている剣心の首元に噛みつくなど容赦なく攻撃を仕掛けて追い込んでいきます。
そして剣心の胸倉を掴むと、手の甲に仕込んだおいた火薬に刀の摩擦で発生させた火花を点火させて爆発を起こさせる弐の秘剣“紅蓮腕(ぐれんかいな)”で戦闘不能に追い込みました。
剣心はこの技の直撃を受けて一時的に意識を失いますが、その後復活して再び志々雄と激突。
志々雄の体が限界点を突破したことで激闘の末に剣心は勝利を収めました。
薫を殺害されて廃人同然になる
3つ目の死亡フラグは、雪代縁(ゆきしろえにし)に薫を殺害されたことで廃人となってしまった時です。
剣心に強い復讐心を持つ縁は、剣心に絶望を味わわせる為に薫を殺害してしまいます。
薫の死体を目撃した剣心は「大切な人を守れなかった」という自責の念に苛まれ、仲間のもとから去り落人群(らくにんむら)へと流れ着くことに。
鬱状態となってしまった剣心は薫の敵討ちを呼びかける仲間の声を無視し、飲まず食わずで衰弱死する道を選んでしまうのでした。
少年誌で主人公が戦意喪失するという展開は、当時の読者に大きな衝撃を与えたようです。
しかしその後、薫の死体が精巧に作られた人形で実際にはまだ生きていることが判明。
仲間から薫の生存を告げられた剣心は、縁との因縁を断ち切る為に再び立ち上がり戦って勝利することを誓うのでした。
★薫の死亡に苦情が殺到したって本当!?
縁との最終決戦で自害を求められる
4つ目の死亡フラグは、縁との最終決戦の時です。
縁との決着を決意した剣心は、縁のアジトがある孤島で1対1の死闘を開始。
互角の闘いを続ける中、一瞬の隙を突いた縁が剣心を突き刺し吹き飛ばします。
剣心に強い恨みを持つ縁はトドメを刺すことはせず、自分の持っていた倭刀を突き出して剣心に自害を求めました。
しかし剣心はその倭刀を突き返し、不殺の誓いの下で闘い抜き生きて罪を償うと答えます。
その後も死闘は続きますが、縁の倭刀を折ったことで剣心が勝利。
最後は薫を助け出し、警察に縁を明け渡して長きに渡る闘いに幕を下ろしました。
緋村剣心が北海道編で死亡する可能性を考察
原作漫画では、薫と夫婦になり子供まで生まれるというハッピーエンドで最終回を迎えた剣心。
その後を描いた続編の北海道編でも幸せそうに暮らしている姿が描かれています。
しかし、薫の父・神谷越路郎(かみやこしじろう)の行方を探す為に北海道へ向かい、そこで謎の勢力“劍客兵器(けんかくへいき)”との戦いに巻き込まれることになります。
ここからは、剣心が北海道編で死亡する可能性について考察していきます。
剣心が剣を握れなくなっている可能性も…
結論から言うと、2024年10月の時点で剣心は死亡していません。
しかし、剣心は京都編と人諜編で強大な敵との死闘を繰り返す中で、体に大きな負担がかかる飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)の奥義を使い続けていたこともあり体に相当な負荷をかけていました。
医者である恵からは「どんなに気をつけても飛天御剣流はもう5年以内に確実に撃てなくなる」と警告されています。
それから5年以上経過している北海道編では、普通に剣は振るえるものの体力は著しく低下しているようです。
全力で戦った後は長時間の睡眠が必要になるなど、死亡してしまう可能性は低いですが剣士としての生命線は途絶えてしまう可能性は大いに考えられます。
るろうに剣心の結末は基本ハッピーエンド
人諜編で薫の死亡や剣心の廃人化など、読者に大きな衝撃を与えた「るろうに剣心」。
連載当時はあまりにも悲しい展開が続いていたことから、週刊少年ジャンプの編集部にはファンによる苦情が殺到したようです。
その為、原作者の和月伸宏先生は原作漫画を少年誌らしくハッピーエンドで最終回を飾ることを決めて、物語を完結させています。
新連載となる北海道編も激しい戦いが繰り広げられますが、かつて敵だったキャラが今度は味方として登場するなどファンを喜ばせる演出も多くあります。
以上のことから、剣心が北海道編で死亡する可能性は低いと考えて良いでしょう。
さらに和月伸宏先生は「エンタテイメントの基本は笑顔とハッピーエンド」という持論を持って漫画を描いていることから、北海道編もハッピーエンドで完結させてくれるとファンは期待しています。
緋村剣心の死因は梅毒だったが、原作漫画とは違う世界線と考えるべし
- OVAにて梅毒が原因で薫と一緒に死亡するが、原作では死亡していない
- OVAの結末には原作者の和月先生も困惑。原作とOVAは違う世界戦と考えた方がいい
- 北海道編で死亡する可能性は低いが、剣士としての生命線は途切れる可能性あり
本記事では「るろうに剣心」の主人公・剣心の死亡シーンや死因について解説しました。
作中では、常に危険な戦いに身を投じることとなる剣心は瀕死の重傷を負うことも多いですが、仲間を守る為に何度も立ち上がる最強の剣客として活躍しています。
OVAの星霜編では梅毒が死因となり死亡するという結末を迎えていますが、和月伸宏先生の監修が入っていない完全オリジナルストーリーであまりにも悲しい最期であることから別世界の物語として考えた方が良いでしょう。
2024年10月からは新作アニメ第2期となる京都編の放送がスタートしています。
“るろ剣史上最高傑作”と評価されている京都編で剣心や仲間たちがどんな活躍をするのか今から非常に楽しみですね!