原作漫画はすでに完結していますが、2024年10月からのテレビアニメ放送で再び注目を集る「チ。地球の運動について」。
地動説に出会った第一章の主人公である12歳の少年・ラファウが毒を飲んで自死を選ぶ展開は、すでにアニメでも放送されており多くの視聴者に衝撃を与えました。
しかし!「チ。地球の運動について」では、死亡したはずのラファウが再登場する展開があるのです。
この記事では死亡したはずのラファウが生きていたのはなぜかと、最後に再登場した理由などについて深掘り・考察をしてみました。
ラファウは生きてた?死亡したのは何話?
「チ。地球の運動について」第一章の主人公・ラファウの死亡シーンは1巻第4話、アニメでは3話で描かれています。
合理的に生きることを信条としていたラファウは12歳でありながらも大学の進学が決まっていた超優秀な少年でした。
しかし義父のポトツキの旧友で”禁じられた研究”をしていて捕えられた異端者・フベルトと出会ったことでこれまで信じられていた天動説とは正反対の地動説と出会います。
半ばフベルトに脅されて手伝うようになった天体観測の研究をするうち、ラファウは次第に地動説に魅せられるように。
フベルトが異端審問官のノヴァクに再び捕えられて火刑に処された後、ラファウはフベルトの想いを継いで地動説を研究することを決意。
しかし、今度はラファウ自身がノヴァクに疑いをかけられ捕えられてしまったのです。
裁判で改心を宣言すれば釈放されるものの、ラファウは地動説を信じると宣言したため、拷問ののち処刑されることになります。
拷問の前夜、ラファウは与えられたワイングラスに自作の毒を入れて自死を選び、遺体はノヴァクらの手によって焼かれています。
ノヴァクは12歳の少年のまさか行動に驚愕。衝撃的すぎるラファウの死はノヴァクの心の中にずっと忘れられない感情を植え付けることになります。
ラファウが生きてた?再登場するのは何話?
既に死亡しているラファウですが、その後2度にわたって物語の中に登場しています。
ここからは1巻第4話以降のラファウの登場シーンを2つ紹介します。
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①ノヴァクが死亡する直前の幻として再登場
死亡したはずのラファウ、1回目の再登場は「チ。地球の運動について」8巻の第56話です。
12歳の少年ラファウは、ノヴァクの死の直前に幻として再登場します。
地動説が異端思想ではなかったということ、地動説論者を捕らえて処刑してきたのはノヴァクだけだったこと、地動説が異端思想であるかどうかは、時の領主の裁量によって決まること…。
ノヴァクは12歳のラファウの幻を前にして自分が人生を賭けてやってきたことが全部無駄だったことと、ラファウの死にずっと痛みを感じていたことを打ち明けます。
ラファウは幻でありながらもその賢さを失っておらず、ノヴァクのことを慰めながら最後は生きているうちにやり残した事をしてくださいと諭し、「では、さよなら」と言って消えていきました。
②アルベルト少年の家庭教師として登場
死亡したはずのラファウが2回目の再登場を果たすのは、「チ。地球の運動について」8巻の第60話です。
時は1468年のポーランド、パン屋で働く青年・アルベルトの少年時代の回想シーンに家庭教師として登場しました。
この時のラファウは青年の姿をしていますが、はっきりとした年齢は記されていません。
少年だったアルベルトの優秀さと好奇心を見抜き、アカデミックな内容について議論できる特別な”会”へ誘って歓迎していました。
しかし”知”に対して正反対の意見を持ったアルベルトの父とラファウは、考え方の違いによって揉め、ラファウがアルベルトの父親を殺害してしまったのです。
青年アルベルトによるとラファウは異変に気づいた村人たち捕まり、その後どうなったかは不明…とのこと。
おそらく追放か、何らかの刑に処されたのではないかと考えます。
この経験の結果、アルベルトは”知”に対して父親とラファウの両方とも異なる方向性で向き合う決意をするのでした。アルベルト・ブルゼフスキは地動説を唱えたコペルニクスの師匠にあたる人物です。
生きてたラファウと死亡したラファウは同一人物なのか【考察】
死亡したはずのラファウが成長した姿で再び登場し、混乱した読者も多いことでしょう。
ここからは、生きてた青年のラファウと死亡した少年のラファウが同一人物なのか、はたまた別の人間なのか、さまざまな視点から考察をしていきます。
作中で2人のラファウについての明確な答えは描かれていませんが、2人は別の人物であると考える人が多いようです。
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ラファウが生き延びていた可能性はほとんどない
まず、1巻第4話で死亡した12歳のラファウが実は生き延びていたという可能性は、ほぼあり得ないと言って良いでしょう。
12歳のラファウが自分で自分の命を断つという選択をしたことは、「チ。地球の運動について」において非常に重要な展開です。
また、毒を飲んで自死してから焼かれるまで遺体はノヴァクが確認しているでしょうし、ラファウの死はノヴァクの心に何十年後にまで”痛み”という感情を残し続けるほどインパクトがある出来事でした。
ラファウが生き延びていたとしたらノヴァクの死の直前にも幻として現れないでしょうし、原作漫画5巻でバデーニが石棺の場所を明かした際のノヴァクの語りとも辻褄が合わなくなってしまいます。
そのため、12歳のラファウは1巻第4話で死亡したと捉えて良いと考えます。
年齢の計算が合わない
もし12歳のラファウと青年ラファウが同一人物だった場合、年齢の計算が合わないことになります。
「チ。地球の運動について」1巻での時代設定は15世紀前期とされており、ラファウ登場時の年齢は12歳です。
第二章ではラファウの死から10年後の出来事が描かれ、第三章ではそれからさらに25年後の出来事が描かれるため、単純計算でも35年の年月が経っていることになります。
つまり12歳のラファウがそのまま歳をとった場合、47歳になっているはず。
しかし8巻に登場した青年ラファウはどうみても40代には見えない見た目をしています。
はっきりとした年齢は明かされていないものの、大学生くらいかなぁと思う風貌をしていました。
このことから、少年ラファウと青年ラファウが同一人物であることは考えづらいです。
パラレルワールド説について
少し難しいのですが、「チ。地球の運動について」は実はパラレルワールドの世界なのでは?という考察もあります。
なぜなら1巻では15世紀(前期)P王国某所と舞台が濁されて描かれていることに対して、8巻では1468年ポーランド王国都市部とはっきりとした西暦と場所が記されているからです。
また、青年ラファウについても、親がおらず学者に拾われたという出自が少年ラファウと同じであることと前述した年齢の違いから別世界軸のラファウであり2人は別人とも考えられます。
結論としては、アルベルトが登場する最終章は完全なパラレルワールドではなく”パラレルワールドとしても捉えられる”と考えた方が良いでしょう。
理由は、アルベルトが23歳で大学へ入学する前は何をしていたのかは不明なこと。
つまりこれまでの創作と史実をどうとでも繋げることは可能なのです。
「チ。地球の運動について」最終章は歴史に開いた絶妙な穴をうまく使ってパラレルワールド的な世界を作り出したのではないかと考察します。
創作と史実の絶妙な”交差”からの最後のオチが素晴らしい作品!漫画を読んでいない人はぜひ体感してほしいです。コペルニクスではなくアルベルト・ブルゼフスキに目をつけた魚豊先生が凄すぎる!
ラファウのモデルになった人物は実在する?
結論からいうと、ラファウのモデルになった人物は実在しません。
ラファウは魚豊先生の考える”器用な人”を体現したキャラクターとのこと。
また、作中でラファウ自身がそう言っているように、ラファウ以外にノヴァクもオクジーもバデーニやヨレンタ、ドゥラカも皆押しなべて15世紀の人なのです。
たまたま15世紀という時代を生きた人々が地動説を軸に同じ時代を駆け抜けた姿を、未来の私たち(読者)が見ていると考えて良いでしょう。
となると、ラファウをはじめとする今作の登場人物は、最終章に登場するアルベルト・ブルゼフスキ以外ほとんどモデルがいないと考えます。
ラファウの声優は坂本真綾(さかもとまあや)さん
名前 | 坂本真綾 |
---|---|
読み方 | さかもとまあや |
愛称 | マーヤ |
生年月日 | 1980年3月31日 |
年齢 | 44歳 |
出身地 | 東京都板橋区 |
血液型 | A型 |
身長 | 155cm |
事務所 | フォーチュレスト |
公式サイト | Official web site 坂本真綾 【I.D.】 |
受賞歴 | 第38回菊田一夫演劇賞・演劇賞 第13回アニメーション神戸賞 ANiUTa AWARD 2018 ANiUTa AWARD 2019 |
坂本真綾さんは声優の他に女優、ラジオパーソナリティ、歌手など幅広い分野で活躍する人気女性声優です。
子役として活躍し、海外吹替の仕事をきっかけに声優の活動を始めました。
1996年、テレビアニメ『天空のエスカフローネ』のヒロインである神崎ひとみ役を担当したことで一躍有名声優に。
2003年からは女優活動を本格的にスタートさせます。
夫は声優である鈴村健一さんです。
坂本真綾さんの主な出演作品
- 鬼滅の刃/珠世
- メイドインアビス/ライザ
- 七つの大罪/マーリン
- 花野井くんと恋の病/柴村月葉
- Dr.STONE NEW WORLD/フランソワ
ラファウは生きてた?2人のラファウは別人説が濃厚
- ラファウ(12歳)は1巻の第4話で毒を飲んで自死している
- ラファウは死亡したが8巻の第56話と60話で再登場している
- 2人のラファウは別人で別世界(パラレルワールド)で生きた可能性はある
- ラファウに史実のモデルはいない
「チ。地球の運動について」第一章の主人公にして衝撃的な死を遂げたラファウが生きていたことについてまとめました。
しかしラファウの死をもって「チ。地球の運動について」はこういう物語なんだと理解した人も多いのではないでしょうか?
「チ。地球の運動について」は2024年10月からテレビアニメが絶賛放送中。
アニメーションの美しさも加わり、ラファウや地動説を探求する人々の情熱がより伝わりやすく感動的なものになっていると思います。
たくさんの方に知ってほしい素晴らしい作品なので、堅苦しい内容だと決めつけずに1度ご覧になってはいかがでしょうか。
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