魚豊(うおと)先生の「チ。地球の運動について」の原作漫画はすでに完結していますが、2024年10月からテレビアニメの放送が始まったことで再び注目を集めている作品です。
今作では地動説をめぐる過程で、たくさんの登場人物が命を落としています。
この記事では「チ。地球の運動について」の死亡キャラを一覧で紹介するほか、各キャラの死亡シーンや死因などについても調べてみました。
【チ。】死亡キャラの一覧
「チ。地球の運動について」原作漫画1巻〜8巻(最終巻・完結)までの死亡キャラは以下のとおりです。
キャラ名 | 登場章 | 死因 |
---|---|---|
フベルト | 第一章 | 火刑 |
ラファウ | 第一章 | 自死 |
謎の異端者 | 第二章 | 刺殺 |
グラス | 第二章 | 転落死 |
ピャスト伯 | 第二章 | 寿命? |
オクジー | 第二章 | 絞首刑 |
バデーニ | 第二章 | 絞首刑 |
異端審問官の青年 | 第二章 | 焼殺 |
ヨレンタ | 第三章 | 自爆 |
フライ | 第三章 | 刺殺 |
シュミット | 第三章 | 刺殺 |
アントニ司教 | 第三章 | 刺殺 |
ノヴァク | 第三章 | 刺殺 |
ドゥラカ | 第三章 | 刺殺 |
※↑リンクをクリックで知りたい項目へ飛べます。
全編を通して14名のキャラクターが命を落としています。
今作の争点となっている地動説をめぐるなかで、主要キャラのほとんどが死亡しているといってよいでしょう。
死因に関しては異端として処刑されたか、戦いの最中で刺殺された人物がほとんどです。
【チ。】第一章の死亡キャラと死因・話数
「チ。地球の運動について」第一章は原作漫画1巻まるまるの内容で、テレビアニメでもすでに放送されました。
第一章の死亡キャラはフベルトとラファウの2名です。
フベルト
死因 | 処刑(火炙り) |
---|---|
死亡した巻・話数 | 1巻第2話 |
フベルトは地動説を研究している学者で、2度目に捕えられた際に火炙りの刑で死亡しています。
フベルトは地動説の研究をしていて1度捕えられますが、改心した(フリをした)ことで釈放され、身元引受人代理として現れたラファウと出会いました。
天体観測を行なっていたラファウを脅迫し、研究を続けていましたがラファウを庇う形で再び捕えられます。
異端信者は2度捕まると即処刑となるため、ラファウがその後フベルトと会うことはありませんでした。
しかしフベルトの情熱はのちにラファウの心を動かすことになります。
ラファウ
死因 | 自死(毒死) |
---|---|
死亡した巻・話数 | 1巻第4話 |
ラファウは「チ。地球の運動について」第一章の主人公です。
合理的に生きることを第一にしており、12歳という若でありながら大学への進学が決定していた超優秀な少年でした。
しかし、フベルトとの出会いにより地動説と出会い、魅せられてゆき、自らその謎を解き明かそうと動き出すことに。
異端審問官のノヴァクによって研究を疑われ義父のポトツキに密告されますが、裁判の際に地動説を信じていると宣言。
拷問を受ける前日に自らワインの中に毒を入れて自死を図り、遺体はノヴァクらによって燃やされています。
ラファウは死亡する前に、フベルトから教わった石棺の中に「地 Ziemia」と書いた手紙を残していました。
【チ。】第二章の死亡キャラと死因・話数
「チ。地球の運動について」第二章は、単行本2巻〜5巻最後までの内容で、ラファウの死から10年後の出来事が描かれます。
フベルトとラファウが死亡した後にも地動説を追い求める人物が存在したこととが判明し、その意思はバデーニ、オクジー、ヨレンタという新しい主人公たちへ受け継がれていきました。
謎の異端者
死因 | ノヴァクに刺されて死亡 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 2巻第8話 |
代闘士(だいとうし)として生計を立てていたオクジーとグラスが輸送中の護衛を任された異端。
地動説の研究者であり、オクジーとグラスに山の中にある石棺の場所を教えます。
火星の研究をしていたグラスはその秘密に魅せられて異端の手の縄を切りますが、異変に気付いたノヴァクによって馬車を転倒させられてしまいます。
異端の背には木の破片が刺さっていましたが、直接の死因はノヴァクの剣によって身体を貫かれたことです。
最後は球体のネックレスをオクジーに託し、満足そうな表情で死亡しました。
グラス
死因 | 転落死 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 2巻第9話 |
オクジーの代闘士の相方で、火星の研究をしている人物です。
オクジーがネガティブすぎる性格なせいか、グラスは対照的にあっけらかんとして絶望の中にも希望があると前向きな性格をしています。
グラスは火星の軌道がもうすぐ正円になり自分の研究が完成することを信じていましたが、火星の軌道が予想とずれてしまったことで落ち込んでいました。
しかし輸送の護衛を任された異端から石棺の場所を聞き、地動説と出会います。
資料を持ち出して橋の上でオクジーと会話していましたが、足元の橋が崩れ落ちて落下して死亡しました。
落下する際にオクジーに球体のネックレスと火星の研究記録、そして希望を託します。
ピャスト伯
死因 | 寿命?による発作 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 3巻第21話 |
当時信じられていた、プトレマイオスの天動説研究の一人者であるとともに、さらに完璧な天動説の証明に人生を賭けている老人です。
ピャスト伯のもとで研究・雑用に励んでいたヨレンタがオクジーとバデーニと出会ったことをきっかけに、地動説を信じる彼らと”満ちた金星を観れるかどうか”で対峙することになります。
天動説では常に欠けて見える金星が、太陽を中心に動いている地動説の場合だと全面が照らされるタイミングがあるというのです。(=地球中心という考えが避けられる)
結果、視力の良いオクジーは満ちた金星を捉えることに成功します。
ピャスト伯以前から唱えられてきた天動説はここで覆されてしまうわけですが、死の直前に真理に辿り着くことができました。
最後は建物の屋上で、星の観測中に病気の発作か寿命のために亡くなります。
最後まで研究者として厳しい人でしたが、女性として冷遇されていたヨレンタを”ひとりの研究者”として扱い、差別をせず気遣う一面もありました。
オクジー
死因 | 絞首刑 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 5巻第32話 |
「チ。地球の運動について」第二章の主人公の1人で、代闘士で生計を立てている超絶ネガティブな性格の青年です。
グラスとともに謎の異端から教えてもらった石棺の場所へ辿り着き地動説に出会いますが、オクジー自身は巻き込まれた形で、もともと学問や文字などには無縁でした。
死亡したグラスの火星の観測記録をたまたま出会ったバデーニに渡し、石棺の場所に案内したことから地動説が宇宙まで変えてしまう大問題である事実を知り驚愕。
その後はバデーニとともに行動し、ヨレンタと出会いピャスト伯の天動説を覆すにまで至りますが、彼らの研究を疑っていたノヴァクに知られてしまい、異端審問官たちに追い詰められ捕えられます。
拷問を受け、最後はバデーニとともに絞首刑で死亡しました。
バデーニ
死因 | 絞首刑 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 5巻第32話 |
「チ。地球の運動について」第二章のもう1人の主人公で、とある町の教会の副助祭をしている青年です。
頭はキレますが少々傲慢で聖職者と呼ぶには難ありな性格をしており、右目の眼帯は欲望に負けて禁書を読んだことで、罰として蝋で焼かれてしまいました。
たまたま出会ったオクジーから石棺の場所を案内されて地動説と出会い、ヨレンタ、オクジーとともにピャスト伯の説を覆すと、地動説を必ず証明すると誓います。
しかしノヴァクに目をつけられていたため捕えられ、拷問を受けるオクジーを庇って石棺のある場所を吐いてしまいます。
最後はオクジーとともに絞首刑で死亡しましたが、地動説を後世に伝える予防策を施した模様。
バデーニが仕掛けがいつどのように動作するかは不明ですが、地動説を引き継ぐわずかな希望が残っていることは確かです。
異端審問官の青年
死因 | 焼殺 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 5巻第34話 |
アントニ司教のもとで働く、新米の異端審問官の青年です。
オクジーとバデーニとともに行動していたことから、ノヴァクの娘であるヨレンタを尋問することになります。
関連を否定するヨレンタを一度は解放しようとしますが、ノヴァクがのさばることを嫌がるアントニ司教の思惑により尋問・拷問にかけることに。
青年はヨレンタへの拷問を苦痛に感じたため途中で彼女を逃しますが、それがアントニ司教にバレてヨレンタの身代わりとして焼殺されてしまいました。
それ以来、ノヴァクは娘が死んだと思っています。
【チ。】第三章の死亡キャラと死因・話数
「チ。地球の運動について」第三章は、単行本6巻〜最終巻8巻までの内容で、第二章から25年後の出来事が描かれています。
第二章で登場していた意外な人物が、オクジーやバデーニ、そのまた先人たちの想いを繋げようと画策していました。
ヨレンタ
死因 | 爆弾で自爆 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 7巻第48話 |
ヨレンタは第二章で登場し、オクジーとバデーニとともにピャスト伯に挑んだ研究者の少女です。
そして敵対する異端審問官・ノヴァクの最愛の娘であることも明らかになります。
ヨレンタは一度異端として尋問を受けていましたが、異端審問官の青年の助けによって逃げ延びていたのです。
オクジーとバデーニの死から25年後、ヨレンタは異端解放戦線のリーダーとして再登場し、仲間たちとともにオクジーが残した手記をもとに地動説の本を出版しようと考えていました。
しかしそれは皮肉にも実の父親であるノヴァクとも対立することになり、最後はノヴァク率いる異端審問官たちに追い詰められ、仲間を逃すために自分が囮となって爆弾によって自爆死しました。
フライ
死因 | シュミットに刺されて死亡 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 7巻第51話 |
フライは異端解放戦線のメンバーでシュミットの側近的キャラクターでしたが、実は裏切り者だったことが判明。
いよいよ活版印刷によって地動説の本が作られようとしているタイミングでした。
フライは異端解放戦線の居場所をすでに通報済みで、彼らの馬まで殺し逃げられないようにします。
まとめ役のシュミットとやり合った後に敗北し、剣で刺されて死亡します。
シュミット
死因 | ノヴァクに喉を刺されて死亡 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 8巻第53話 |
シュミットは、ヨレンタ率いる異端解放戦線の戦闘員たちを率いるリーダーです。
突然口数が多くなったり少々難ありな性格をしていますが、ヨレンタが自爆した後は組織をまとめ上げていた頼れる存在。
活版印刷によって地動説の本を作り上げるところまで成功しました。
裏切ったシュミットの通報により異端審問官たちに追い詰められ、本の内容を記憶しているドゥラカを逃がし自ら多勢の敵に挑みますが、最後はノヴァクに喉元を突き刺されて死亡しました。
アントニ司教
死因 | ノヴァクに喉を刺されて死亡 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 8巻第55話 |
アントニ司教はノヴァクを雇っていた教会の司教で、第三章で再登場します。
しかしノヴァクのことをよく思っていないことも事実で、ノヴァクを排除するために娘のヨレンタを尋問するなど人に見せない裏の顔を持っている人物です。
第三章の主人公でもあるドゥラカと出会い、頭の良い彼女のことを気に入り地動説の本の出版について耳を傾けるように。
ノヴァクがドゥラカを追い詰める過程で2人は再会。
これまで地動説を異端として迫害・処刑していたのはノヴァクだけで時代や考え方が変化したことを指摘。
逆にノヴァクを追い詰めますが、ノヴァクの策略にハマり喉元を刺されて死亡しました。
アントニ司教の父親も地動説を唱える異端には厳しい処置を施していました。しかし「地動説が異端かどうかは時の権力者の裁量によって変わる」ということと、禁止されているわけでないのなら、地動説を娯楽として売り込むというドゥラカの戦略に心を動かされることに。結局お金にがめついところは変わっていないようです。
ノヴァク
死因 | ドゥラカに胸部を刺された 焼け落ちる教会とともに死亡 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 8巻第57話 |
ノヴァクは「チ。地球の運動について」の悪役で、C教の教えに反する異端を捕らえて拷問・処刑を実行する異端審問官です。
これまでにフベルト、ラファウ、オクジー、バデーニの尋問や処刑に関わっており、特に地動説に関して唱える異端については執拗に追い詰めてきました。
最愛の娘であるヨレンタが異端として処刑されたと知ると酒に溺れるまで落ちぶれますが、再び立ち上がり、異端解放戦線に立ち向かうことに。
アントニ司教の教会に逃げ込んだドゥラカを追ってやってきますが、地動説論者を処刑してきたのは自分だけで、さらにその処刑が非公開処刑だったことを知らされるとショックを受けてしまいます。
アントニ司教を刺殺した後、ドゥラカともやり合いますが胸部を刺されてそれが致命傷に…。
死の間際で12歳のラファウの幻影と会話するうちに、当時ラファウに対して抱いていた”痛み”の感情や、自分が悪役であったことなどを吐露します。
自爆した異端解放戦線のリーダー=最愛の娘・ヨレンタの片腕を抱きしめ、娘が天国へ行けるように神に祈りながら死亡しました。
ノヴァクは異端解放戦線を追い詰めるうちに、リーダーの女性がヨレンタであることに気づいていました。過去にヨレンタにプレゼントしたグローブが腕にピッタリはまったことで確信を得たようです。
ドゥラカ
死因 | ノヴァクに腹部を刺されて死亡 |
---|---|
死亡した巻・話数 | 8巻第58話 |
ドゥラカは第三章の主人公である褐色の肌をした少女で、優れた記憶力を持っています。
また、父親が亡くなってからお金を稼ぐことで生きる不安を拭っていました。
叔父に騙されて身売りに出された際、待機していた教会で偶然オクジーが残した手記を見つけ、地動説に興味を持つどころか”金の匂い”に気づき、ひょんなことから活版印刷を目論む異端解放戦線と合流することに。
最初は金儲けのためにと考えていたドゥラカでしたが、ヨレンタやシュミットの死後、彼女が彼らの想いを受け継ぐことになります。
ノヴァクから逃亡する過程でかつて繋がりのあったアントニ司教に話を持ちかけますが、ノヴァクの到着により場が荒れ、ドゥラカは腹部を刺されてしまいます。
教会から逃げ出したドゥラカはアントニ司教から借りた伝書鳩に一通の手紙を託して逃げますが、腹部からの出血が止まらず、しかし朝日を浴びながら満足げな顔をして死亡しました。
【チ。】死亡したラファウが生きていた件について
「チ。地球の運動について」には1巻で死亡したはずのラファウが8巻でも再登場し、読者を混乱させました。
2人のラファウについて違いやどのような理由で描かれたのか、明確な理由等は明かされていませんが、別世界(パラレルワールド)の同一人物であるという説と、完全に別人のラファウという両方の説があります。
年齢の違いや現実世界とファンタジーの世界との違いなどファンの間の考察はさまざまです。
ラファウの死や実は生きていた理由などは、以下の記事にまとめていますので興味があれば併せてチェックしてください。
【チ。】バトルものではないが死亡キャラが多い作品
- 「チ。地球の運動について」は主要キャラがほとんど死亡している
- 1巻最初に登場した少年のラファウと8巻に登場した青年のラファウは別人と考えられている
- 「チ。地球の運動について」たくさんのキャラが死亡しているが地動説は最後まで証明されない
「チ。地球の運動について」の死亡キャラについてご紹介しました。
バトルものではないものの、地動説という1つの考え方をめぐってたくさんのキャラクターが命を落としました。
しかし最後まで地動説は証明されない…という焦ったさが余計に私たちの知的好奇心をくすぐりますね…!
「チ。地球の運動について」は2024年10月からテレビアニメが絶賛放送中です。
普通の作品に飽きた、ちょっと大人のアニメを見てみたい…という方はぜひご覧ください!
新たな”感動”を得られること間違いなしです。
★「チ。」関連記事はこちら