「るろうに剣心」で神谷活心流の師範代として活躍するヒロインの神谷薫(かみやかおる)。
芯が強くて明るい性格の為、主人公である緋村剣心(ひむらけんしん)や仲間たちの心の支えになっている人気キャラです。
そんな薫ですが、作中で死亡したと連載当時話題になったシーンがあり、さらにアニメでは本当に死亡してしまうエピソードも存在します。
本記事では、原作漫画における薫の死亡シーンと、実際に死亡してしまうアニメの内容について解説していきます。
結論!薫の死亡は「るろうに剣心」の漫画とアニメ(OVA)で違う
「るろうに剣心」の全編通して危険な戦いに巻き込まれ、死亡フラグもあった薫。
結論から言うと、薫は原作漫画では生存していますが最終的に死亡してしまうアニメも存在します。
原作漫画で薫が死亡したかに見えるシーンはありますが、それは敵の罠であり実際には死亡していませんでした。
物語はそのまま最終回を迎え、最後は剣心と結婚するという幸せな結末を迎えています。
しかし、原作漫画の最終回から10数年後を描いたとされるOVAの「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-星霜編」では、剣心と共に病死するという結末になっているのです。
OVAである星霜編は、2024年10月現在ではDVDの購入かレンタルでしか視聴することができません。
原作漫画やテレビアニメに見られる爽快感はなく、終始シリアスな展開が続く大人向けのストーリーとなっているので視聴には覚悟が必要です。
【るろうに剣心】薫の死亡は何巻・何話?漫画の死亡シーン
原作漫画で薫の死亡シーンが描かれたのは、24巻第207話のラストです。
剣心に対して強い殺意を向ける宿敵・雪代縁(ゆきしろえにし)は、神谷道場を襲撃して薫と対峙。
薫が剣心にとって大切な人だと認知していた縁は、復讐の為に薫を気絶させて刀で一突きして殺害してしまいます。
薫の死体を目にした剣心は鬱状態となり、浪人街に流れ着いてすっかり生きる気力を失います。
しかし、この薫の死体は縁が部下の外印(げいん)に作らせた精巧な人形であり、実は薫は生きていました。
縁は薫を殺すことができず、無傷のままとある孤島に軟禁していたのでした。
【るろうに剣心】アニメ(OVA)での薫の死亡シーン
アニメ版で薫の死亡シーンが描かれたのは、2001~2002年に発売されたOVA「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-星霜編」のラストです。
星霜編では、薫だけでなく剣心も死亡してしまいます。
「るろうに剣心」はテレビアニメ以外にも劇場版やOVAが数本制作されていますが、薫と剣心が死亡するという結末を迎えるのはこの星霜編だけです。
物語は、原作漫画の最終回から10数年後を舞台にしていて、剣心は薫と結婚した後に贖罪の旅に出ています。
しかし、途中で梅毒に体を侵されていることが判明し徐々に衰弱。
そんな剣心と接触したことで薫も梅毒に感染してしまうのです。
原作漫画がハッピーエンドだっただけに、星霜編で2人が死亡するという結末はあまりにも悲しいものでした。
星霜編は「るろうに剣心」のアフターストーリーとして制作されたOVAですが、原作者である和月伸宏先生が監修に入っていないので完全オリジナルストーリーと考えた方が良いでしょう。
和月伸宏先生も完成したOVAを鑑賞して「かなり戸惑った」と感想を述べていて、ファンの間でも2人の死については賛否両論出ています。
【るろうに剣心】薫の死亡に苦情殺到?和月先生の決断は
薫が病死するというOVAの結末には、ファンから多くの苦情や意見が寄せられました。
しかし、実は原作漫画で薫が死亡したと思われたシーンでも読者から多くの苦情が寄せられていました。
結果的に薫は死亡していなかったのですが、和月伸宏先生が元々持っていた構想はどうだったのでしょうか。
ここからは、原作漫画における薫の死亡シーンに寄せられた苦情の理由や和月伸宏先生の構想について解説します。
薫の死亡シーンに対して苦情が殺到した
作中で最も苦情が寄せられたのは、薫が縁によって胸を一突きされて死亡してしまったシーンです。
結論から言うと、前述のとおり殺害されたように見えた薫の死体は精巧に作られた人形で薫は死亡していませんでした。
しかし、薫の死亡シーンが描かれてからしばらくの本誌でその事実が明かされていなかった為、多くの読者はヒロインである薫が死亡したと思っていたのです。
薫は作中で剣心や仲間たちの心の支えになる重要なポジションを担っていて、読者からも非常に人気の高いキャラでした。
そんな薫が無惨な殺され方をして剣心を酷く落ち込ませてしまうという展開に、読者の多くがショックを受けて編集部には大量の苦情が送られる事態となってしまったようです。
和月先生は薫を死なせるか生き返らせるか悩んでいた
薫の死亡シーンを描いた当初、和月伸宏先生の頭の中にはヒロイン死亡という構想があったようです。
それは、和月伸宏先生が「薫を生き返らせるか、死なせるか、最後の最後まで迷った」とコメントで明言しています。
かつて人斬りとして大勢の人を殺害してきた剣心に対して、その罪を薫の死で償わせようという構想が和月伸宏先生の中にあったのでしょう。
しかし、連載されていたのが少年誌であり最後はハッピーエンドで締めたいという想いもあったようです。
悩んだ末に出した答えが薫の生存で、これにより剣心の心も救われるという明るい展開へとなりました。
リアリティーと読者のニーズ、どちらを取るか和月伸宏先生の中では相当な葛藤があったと思われます。
【るろうに剣心】薫の死亡フラグ一覧!よく誘拐されるヒロイン
敵と直接戦う機会が少ない薫ですが、剣心と一緒にいることが多いので敵に狙われるなど危険な目に何度も遭っています。
その多くは剣心の弱体化や戦意を削ぐことを目的とした誘拐で、時には本当に死亡したと偽装されることもありました。
ここからは、作中での薫の死亡フラグを紹介します。
刃衛に誘拐されて人質になる
1つ目の死亡フラグは、政府要人の暗殺を生業にしていた暗殺者・鵜堂刃衛(うどうじんえ)に誘拐された時です。
刃衛は剣心と戦ったことでその強さに惹かれ、真剣勝負を持ち掛けます。
人斬り抜刀斎としての剣心と本気の勝負をしたいと思っていた刃衛は、剣心の目の前で薫を誘拐。
薫を人質にすることで剣心の闘争本能を引き出そうとしたのです。
決闘は剣心が刃衛の右腕を潰して戦闘不能にしたことで勝利し、薫を無事に助け出すことに成功します。
十本刀“大鎌の鎌足”との激闘
2つ目の死亡フラグは、十本刀の1人・本条鎌足(ほんじょうかまたり)と直接対決した時です。
京都大火の計画を実行に移した志々雄の命令で、直属の特攻部隊である十本刀の半数が京都にある葵屋へ襲撃。
葵屋に身を寄せていた薫とその弟子である明神弥彦(みょうじんやひこ)は、御庭番衆と共に彼らを迎え撃つことになります。
薫は御庭番衆の1人・巻町操(まきまちみさお)と協力して“大鎌の鎌足”と対峙。
大鎌と鎖分銅を振り回して大技を繰り出す鎌足を相手に薫は苦戦し、持っていた竹刀も途中で折れてしまいます。
鎌足の大鎌も戦いの衝撃で折れてしまうのですが、鎖分銅だけで攻撃を仕掛け薫は絶体絶命のピンチに。
しかし薫は最後まで諦めない精神の下、折れて短くなった竹刀をだけでカウンター攻撃を繰り出し鎌足に勝利します。
縁に左胸を一突きされた死体として発見される
3つ目の死亡フラグは、神谷道場で縁に刀で一突きされて死亡として発見された時です。
剣心に深い恨みを持つ縁の襲撃を受け、薫は神谷道場で縁に囚われてしまいます。
その後駆け付けた剣心たちが目にしたのは、左胸を刀で一突きされた状態で死亡している薫の無惨な姿でした。
208話では薫の葬式が行われ、読者を含めて誰もが薫が本当に死亡したと思っていました。
しかし、実際には薫だと思われていた死体は、精巧に作られた人形であったことが判明。
薫本人は無傷のまま縁によって孤島に誘拐されて人質にされていたのでした。
縁に首を絞められる
4つ目の死亡フラグは、縁に突然首を絞められた時です。
人質となって孤島に連れてこられた薫。
縁を人質にして物資を積んだ連絡船に乗り込み孤島からの脱出を試みますが、縁は薫の姿を見て姉・雪代巴(ゆきしろともえ)と錯覚する程取り乱して逆に首を絞められてしまいます。
薫に対して強い殺意を持つ縁ですが、縁は幼少期に姉の斬殺現場を目撃してショックを受けて以来、若い女性に危害を加えることができないというトラウマを抱えていました。
薫は首を思いっきり絞めつけられたものの、すぐに開放されて一命を取り留めます。
【るろうに剣心】薫の死亡は新作アニメで描かれる?
「るろうに剣心」の原作漫画で薫の死亡シーンが描かれたのは、物語の終盤にあたる人諜編です。
1996年から放送されていた旧作アニメは原作漫画の完結前に最終回を迎えることになったので、人誅編が描かれておらず京都編の後はオリジナルストーリーで締めくくられています。
その為、旧作アニメでは剣心と縁の因縁や薫の死亡シーンは描かれていません。
2023年から放送されている新作アニメは、原作漫画が完結した状態である点や旧作アニメでは規制により描けなかった少々残酷な描写も原作通りに描いている点から、、人諜編もアニメ化するのではとファンから期待されています。
せっかく再アニメ化されたので、今度は原作漫画の最終回までしっかりアニメで描いてほしいと思うファンは大勢いるようです。
【るろうに剣心】薫が死亡するのはOVAで原作では生存している
- OVAでは剣心とともに梅毒が原因で死亡するが原作では死亡しない
- 原作漫画での死亡は偽装で実際は縁に誘拐されただけだった
- 原作者である和月先生の中にも薫の生死についてはかなりの葛藤があった
本記事では「るろうに剣心」のヒロイン・薫の死亡シーンについて解説しました。
原作漫画ではヒロインの死という衝撃の展開がありましたが、実は生きていて最後はハッピーエンドで締めくくられたので多くのは読者は安堵したことでしょう。
しかし原作漫画完結後に制作されたOVAの中には、薫と剣心が病死してしまうという悲しい結末を描いた作品もあり、これについてはファンからも賛否両論の意見が寄せられています。
2023年から放送されている新作アニメでは、是非原作漫画のまま旧作アニメで描かれなかった人誅編とその結末まで描いてほしいですね。
新作アニメは、2024年10月から作中でも特に人気のエピソードである京都編がスタートします。
剣心と志々雄一派の激闘ももちろん見どころですが、剣心を一途に思う薫の活躍にも是非注目してみてください。