「千と千尋の神隠し」は、興行収入ランキングで長らく歴代1位に君臨し、金曜ロードショーで放送されるたびに、高視聴率を叩き出してきたスタジオジブリの人気作品です。
その中でも、最も人気があるキャラクターと言われているのが、可憐な容姿と謎多き雰囲気を持ち合わせるハクです。
本記事では、そんなハクの魅力に迫りながら、残された謎の考察についてまとめています。
キャラクターへの読み解きが深まるので、ぜひ読んでみてください!
- 「千と千尋の神隠し」ハクのその後はどうなったか
- 「千と千尋の神隠し」ハクの名前と正体の解説・考察
- 「千と千尋の神隠し」ハクの正体=千尋の兄説について(公式が否定している?)
【千と千尋の神隠し】ハクのその後はどうなった?考察
ハクは、銭婆のもとから帰ってきた千尋と再会することによって、湯婆婆の魔法から解放されます。
憑き物がとれて自分の名前と正体を思い出したハクは、千尋を元の世界へ戻すために人間界との境界まで送り届けます。
千尋に対し「この先は1人で向かって、決して振り返ってはいけない」と伝え、再会を約束して別れるシーンが、ハクの最後です。
映画ではその先が描かれていないため、千尋とハクがその後再会できるのか?というところがポイントになります。
個人的な考察としては、「再会はできるけど、千尋が認識できるとは限らない」といったところでしょうか。
何事もなく日常に戻っていく千尋の最後の表情を見ていると、異界での記憶はリセットされてしまう可能性もあり得ます。
また「コハク川」は既に埋め立てられおり、ハクが川の神様の姿に戻っている可能性を考えると、千尋はハクとの再会に気づかないかもしれません。
それと、湯婆婆の「八つ裂きにされてもいいのか!」というセリフがあった通り、ハクが湯婆婆に始末されるという残酷な結末があるのかもしれません。
宮崎駿監督のインタビューでは、「千と千尋の神隠しは悲しい作品」と明言していることもあり、湯婆婆に八つ裂きにされている可能性が高いのでしょうか…。
ただ、宮崎駿監督の真意としては、千尋と異界で出会ったキャラクターたちの別れを指しているので、”悲しい”=ハクの結末というわけではないようです。
【千と千尋の神隠し】ハクの正体と名前がなぜわかった?
ハクの最後やその後千尋と再会できたかについては描かれておらず、映画を鑑賞した人それぞれの解釈に委ねるということで良いでしょう。
ここからはハクの正体となぜ自分の名前を思い出せたかについて解説・考察していきます。
ハクの正体は川の神様だった
ハクは、湯婆婆によって自分の本当の名前や素性も忘れてしまっていました。
しかし千尋が銭婆のもとへ向かう道中、海の中へ入ったときの心象風景によって、幼い頃に出会ったハクの存在を思い出します。
千尋は、自分が幼い頃に落ちてしまった「コハク川」が、ハクの正体ではないかと問い詰めます。
正体を千尋から尋ねられたことで、ハクは自分の名前が「ニギハヤミコハクヌシ」であることを思い出しました。
ここで、ハクが川の神様だったことが明らかになります。
ちなみに、「ニギハヤミココハクヌシ」は、日本書紀や古事記に登場する饒速日命(ニギハヤヒノミコト)に基づいて命名されているとジブリの公式も発表しています。
饒速日命については不明点も多く、謎多き存在感もハクとの共通点と言えるかもしれません。
ハクは自身の名前がなぜ分かった?
ハクは、湯婆婆の魔法によって本当の名前を忘れていましたが、千尋が「あなたは、コハク川」と伝えたことで、ハクは自分の名前を思い出します。
唐突な出来事に思えますが、なぜハクは自分の名前を思い出せたのでしょうか?
千尋の場合だと、湯婆婆から「千」と名付けられてからはぐれたハクと再会するまで、自分の名前を忘れかけていました。
ハクは、千尋という名前を忘れさせないように、友達からもらった寄せ書きを渡します。
「湯婆婆に見つからないように」とハクが言っていることから、本当の名前を認識できる状態だと新しい名前を付けられても忘れないのかもしれません。
しかし上記の説だとすると、「コハク川」と言われただけでハクが名前を思い出すことに若干の飛躍を感じなくもありません。
となると、「本当の名前を呼ばれる、認識する」か「本当の名前の手がかりを得る」と、奪われた名前思い出せるのかもしれません。
【千と千尋の神隠し】ハクの正体=兄説は公式が否定?
「千と千尋の神隠し」のハクの正体について、一説では千尋の兄ではないか?という考察があります。
結論、ハクが千尋の兄であるという公式からの言及はなく、前述した通り川の神様であることにとどまっています。
ここからは、ハクが千尋の兄と言われてる理由について調べたことをご紹介します。
ハク=千尋の兄説に関する公式の言及
結論からいうと、ハクが千尋の兄であることについてスタジオジブリ公式からの言及はありません。
すでに閉鎖されていますが、過去に存在したスタジオジブリ公式Twitter(現X)では”ハクは千尋が元住んでいた家の近くを流れる川の主でした。”という記載がありました。
つまり、ハクが千尋の兄であるという設定は公式ではなく、想像や考察により広まったものであると考えます。
ハク=千尋の兄であると考察されている理由
映画評論家である岡田斗司夫さんが「ハクは千尋の兄」説を自身のYoutubeでハク=千尋の兄説を提唱して、ジブリファンの間で大きな話題となりました。
湯婆婆の姉である銭婆のところへ向かう途中に、幼い千尋が川に落ちたエピソードが回想的に描かれています。
公式の絵コンテでは、差し伸べられている手を「子どもの手」と書いています。
岡田斗司夫さんは、真相を暴かれたくないために「子どもの手」とぼかした表現にしているのではないかと、分析しています。
そして差し伸べている手は千尋の兄のハクの手であり、千尋を助けた代わりに亡くなったハクは、川の神様になったとの考察です。
兄であるハクが死んだことを千尋は覚えていませんが、そんな千尋に無意識に母親はきつく当たっており、その態度がハク=兄である説を裏付けているということらしいです。
そして、宮崎駿監督が久石譲に渡したイメージ歌詞に、「私のために生きてくれた誰か」というフレーズがとても意味深に記されています。
個人的には少し極端な解釈かなと思いつつ、ハクは出会ったときから千尋の名前を知っているので、根拠を聞くとそうかもしれないと思わされてしまいます。
千尋とハクの関係は様々な考察ができそうですね。
まとめ|ハクは内面も外見も魅力たっぷり
「千と千尋の神隠し」の人気キャラクターである、ハクについて考察してみました。
ハクは考えれば、考えるほど奥深いキャラクターだということに、気付かされます。
作品で描かれていないことも多いため、あらゆる説の考察も明確な正解があるわけではないと思います。
ぜひ、皆さんも「千と千尋の神隠し」を鑑賞して、改めて考察を膨らませてみてください!