たくさんの敵から命を狙われるハリー・ポッターの物語は、一見すると、私たちが生きる世界とは別の場所で起きている話のように思えます。
でも、ハリーたちの世界はあなたの生活のすぐそばにあるのです。
得体の知れない敵を相手に真正面から闘いを挑む、勇敢な魔法使いたちの旅から不思議と実生活を豊かにするヒントが見えてくるありがたい映画、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」を解説します!
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」のネタバレを記載しています。未視聴の方はお気を付けください。
\ハリポタシリーズ過去作を一挙配信中 /
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」作品情報
公開日 | 2010/11/19 |
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監督 | デヴィッド・イェーツ |
原作 | J.K.ローリング |
脚本 | スティーヴ・クローヴス |
キャスト | ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン ほか |
音楽 | アレクサンドル・デスプラ ジョン・ウィリアムズ ニコラス・フーパー |
上映時間 | 2時間26分 |
配給 | ワーナー・ブラザース |
興行収入 | 9億7710万ドル |
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」キャスト一覧
登場人物 | キャスト | 日本語声優 | 特徴 |
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ハリー・ポッター | ダニエル・ラドクリフ | 小野賢章 | 主人公。大勢に命をねらわれている |
ロン・ウィーズリー | ルパート・グリント | 常盤祐貴 | ハリーの親友。おっちょこちょいだが優しい男 |
ハーマイオニー・グレンジャー | エマ・ワトソン | 須藤祐実 | ハリーの親友。ロンのことが好き |
ヴォルデモート | レイフ・ファインズ | 江原正士 | ハリーの宿敵。孤独な男 |
セブルス・スネイプ | アラン・リックマン | 土師孝也 | ホグワーツ魔法魔術学校の教師。校長となる |
ベラトリックス・レストレンジ | ヘレナ・ボナム=カーター | 高乃麗 | 極悪人。人を殺めることにためらいがない |
ジニー・ウィーズリー | ボニー・ライト | 高野朱華 | ロンの妹。ハリーと愛しあっている |
ルーナ・ラブグッド | イヴァナ・リンチ | 三村ゆうな | ハリーの友だち。芯が強くたくましい |
ルビウス・ハグリッド | ロビー・コルトレーン | 斎藤志郎 | ホグワーツ魔法魔術学校の森番。ハリーたちの友人 |
アラスター・“マッドアイ”・ムーディ | ブレンダン・グリーソン | 小林修 | 不死鳥の騎士団のメンバー。笑顔を見せないが優しい男 |
マンダンガス・フレッチャー | アンディ・リンデン | 福沢良一 | 不死鳥の騎士団のメンバー。手癖が悪い |
ドラコ・マルフォイ | トム・フェルトン | 三枝享祐 | ハリーの同級生。ヴォルデモートに仕えている |
ドローレス・アンブリッジ | イメルダ・スタウントン | 小宮和枝 | 魔法省の役人。リボンとピンク色がトレードマーク |
ルーファス・スクリムジョール | ビル・ナイ | 小川真司 | 魔法大臣。ホグワーツ魔法魔術学校の元校長であるダンブルドアから、伝言を預かる |
ギャリック・オリバンダー | ジョン・ハート | 小林勝也 | オリバンダー杖店の店主。ヴォルデモートに監禁される |
ゼノフィリウス・ラブグッド | リス・エヴァンス | 佐々木睦 | ルーナの父。雑誌編集長 |
ビル・ウィーズリー | ドーナル・グリーソン | 佐藤拓也 | 不死鳥の騎士団のメンバー。ロンの一番上の兄 |
フラー・デルクール | クレマンス・ポエジー | 小笠原亜里沙 | 不死鳥の騎士団に協力する。ビルと結婚式を挙げる |
ドビー | トビー・ジョーンズ(声) | 高木渉 | 自由な妖精。ハリーの友だち |
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」あらすじ
アルバス・ダンブルドア(マイケル・ガンボン)の死によって、ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)の復活は周知の事実となりました。
マグル(魔法を使わない人間)の世界にも闇は大きく広がり、地球上に安全な場所などありません。
ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)が身を寄せていたダーズリー家の面々は、危機下でついにハリーを切り捨て、親子3人でさっさと逃げてしまいました。
ひどい人たちだとは思ってたけど、あんまりじゃん
ハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン)は、マグルの両親を危険から守るため、ひそかに両親の背後に立ちます。
ハーマイオニーが両親にむけ、記憶を消す呪文“オブリビエイト”を唱えると、家中に飾られた家族写真と両親の記憶から、ハーマイオニーに関するすべてが消え去りました。
まさに決死の覚悟を胸にダーズリー家に集まった不死鳥の騎士団は、最大の危険がせまるハリーを少しでも安全な場所へと移動させるため思案します。
ポリジュース薬で全員がハリーの姿に変身し、移動を開始。
最善を尽くしたけれど、ヴォルデモート一派によってアラスター・“マッドアイ”・ムーディ(ブレンダン・グリーソン)が殺されてしまいました。
ダーズリー家で「世間話や近況報告はあとにしろ!」と騎士団に活を入れていたマッドアイ…フラグだったなんて悲しすぎる
あらすじ”起”:ダンブルドアからの贈り物
マッドアイを失い沈むハリー、ハーマイオニー、ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント)のもとに、魔法省からルーファス・スクリムジョール(ビル・ナイ)という役人がやってきます。
ルーファスは、ダンブルドアに託された贈り物を、3人へと届けにきたのです。
ロンには灯消しライターが、ハーマイオニーには“吟遊詩人ビードルの物語”の本が、そしてハリーには、ハリー自身が以前、初めて捕まえた金のスニッチが贈られました。
贈り物にはそれぞれダンブルドアからの小粋なメッセージが添えられていますが、いまいち意味不明なのがポイント!
3人は、ダンブルドアからの贈り物を手に、トム・リドル(現・ヴォルデモート)が自らの魂を分けた分霊箱のうちの1つ、ロケットペンダントを探す旅へとでかけます。
不死鳥の騎士団が使用していた本部で、偽のロケットペンダントに記された“R.A.B”の正体がレギュラス・アークタルス・ブラック(故シリウス・ブラックの弟)であると知った3人は、芋づる式に本物のペンダントのありかを発見しました。
ペンダントはいま、魔法省でドローレス・アンブリッジ(イメルダ・スタウントン)によって保管されていたのです。
おリボンつけてよぉ…
あらすじ”承”:ハリーたちの仲違い
ポリジュース薬で魔法省の職員になりすましたハリーたちは見事、省内にもぐりこみ分霊箱であるロケットペンダントを手に入れました。
しかし、どんなに頭をひねっても破壊の仕方がわかりません。
ペンダントのもつ負のパワーにより、3人は些細なことで言い争うようになります。
ついに、怒りが爆発したロンが、ハリーとハーマイオニーを置き去りに帰ってしまいました。
ハリーたちはロンを失った悲しみを癒すように、2人の距離を縮めていきます。
ハリーとハーマイオニーは、恋とはまったく別ベクトルの固い友情で惹かれあっているんだけど、それって逆にムカつくよね!わかるよロン!
ハーマイオニーの天才的なひらめきにより、“グリフィンドールの剣”がロケットペンダントを破壊するアイテムだと気付いた2人は、次にダンブルドアからの贈り物について「分霊箱を探すヒントが隠されているのでは」と考え始めます。
ハリーのスニッチには、“私は終わるときに開く”と刻まれており、ハーマイオニーの本には意味ありげなマークが印されていました。
あらすじ”転”:救世主ロン
ハーマイオニーの思い出の地“ディーンの森”へと移動したハリーとハーマイオニー。
移動中も絶え間なく襲いかかってくるヴォルデモート一派の攻撃により、ハリーの杖が折れてしまいました。
「ハリーの杖が折れてしまいました」←超絶重要ポイントです!
雪の積もる冷たい森のなか、ハーマイオニーが眠るテントを見張るハリーの前に、一頭の光る雌鹿があらわれます。
ハリーが必死に雌鹿のあとを追うと、導かれるように、凍った池の底にグリフィンドールの剣が沈んでいるのを発見しました。
氷の浮かぶ池に飛び込んだハリーでしたが、首にかけたロケットペンダントが剣をいやがり暴れ、ハリーは溺れかけます。
間一髪ハリーを救いながら、剣を拾うことに成功したのは、灯消しライターに導かれハリーたちのもとへ戻ってきたロンでした。
ロンは、剣を使い、ついにペンダントの破壊に成功したのです。
ペンダントのかたちをした分霊箱の名は、“サラザール・スリザリンのロケット”といいました。
仲直りした3人は、“吟遊詩人ビードルの物語”に記された謎のマークと、おなじデザインのネックレスをつけていたゼノフィリウス・ラブグッド(リス・エヴァンス)に会いに行きます。
謎のマークについては後で解説します。ちなみにゼノフィリウスはルーナ(イヴァナ・リンチ)のお父さん!ただの変な人かと思いきや…
あらすじ”結”:ドビーの死
ハリーの居場所を知りたいヴォルデモート一派によって、娘のルーナを拉致されていたゼノフィリウスは、娘かわいさにハリーたちの来訪を死喰い人(ヴォルデモートの従者)たちに教えてしまいます。
襲撃のなか、ハーマイオニーが機転を利かせて、ハリーに“蜂刺しの呪い”をかけたおかげでハリーの顔は原形がわからないほど腫れあがりました。
せっかくハリーを捕らえたヴォルデモート一派の面々でしたが、目の前の男がハリーであると自信が持てません。
「本物のハリーか確認しろ」と言われたドラコ・マルフォイ(トム・フェルトン)でしたが、うつむいてやり過ごすばかりです。
あきらかにハリーなのに、とどめを刺せないドラコ。中途半端なドラコに大役は務まりそうにありません…
すんでのところで、“自由な妖精”ドビーが助けに入り、ヴォルデモート一派に囚われていたルーナと、杖店の店主・ギャリック・オリバンダー(ジョン・ハート)などを解放したうえ、ハリーたちに加勢しました。
思わぬ友人の登場に力みなぎるハリーは、ドラコに奪われていた杖を奪い返し応戦します。
「ドラコに奪われていた杖を奪い返し…」←超絶重要ポイントPART2
ちなみに杖折れちゃったハリーが使っているのは、ロンが“拾ってきた”強めな杖です
勇敢なドビーはハリーたちを救い出しましたが、ベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)の投げた矢があたり、死んでしまうのです。
ベラトリックスとんでもなさすぎてむり
一方、ヴォルデモートはダンブルドアの墓を荒らし、遺体の胸元からニワトコの杖を奪ったのでした。
ニワトコの杖、最重要アイテムとなります。
しかし「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」、展開激しすぎて端折ってるところかなりありますが、あしからず
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」ネタバレ
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」のネタバレをご紹介します。
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この記事では、映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」のネタバレを記載しています。未視聴の方はお気を付けください。
死の秘宝とは何か?
“吟遊詩人ビードルの物語”の本および、ゼノフィリウスのネックレスに印された謎のマークこそが死の秘宝をあらわすものです。
ハリーたちがゼノフィリウスの家に行ったとき、“三人兄弟の物語”についての話になりました。
“三人兄弟の物語”は、ハーマイオニーがダンブルドアから受け継いだ“吟遊詩人ビードルの物語”の本にも収録されていたのです。
“三人兄弟の物語”は親が子どもに読み聞かせる定番の物語。ハリーだけが知らなかったのは…そういうこと
物語に登場する死の秘宝は3つあり、モチーフがそれぞれ組み合わさったものが死の秘宝のマークとして密かに伝えられていました。
さんかくのモチーフは“透明マント”。
かぶると体が透明になる魔法のアイテムです。
丸いモチーフは“蘇りの石”。
愛する人たちを死から呼び戻す力をもつ石です。
そして、2つのモチーフを貫く一本線があらわすのが“ニワトコの杖”。
この世でいちばん強い杖とされています。
ニワトコの杖には「勝者に忠誠を誓う」という特徴があります!←超超超超超大事なキーワード
以上の3アイテムの総称が“死の秘宝”です。
バーベッジ先生が吊るされていた理由
ホグワーツ魔法魔術学校でマグル学を教えているチャリティー・バーベッジ(キャロリン・ピックルズ)は、「マグルと魔法使いとは同じ人間である」という、ごく全うな教えを広めたせいでヴォルデモートに捕まり、吊し上げられてしまいました。
意見の違う者を悪として攻撃する、SNSとか実社会にもありふれた構造です。ヴォルデモートってほんと幼稚
目の前のスネイプに助けを求めるバーベッジでしたが、密偵の遂行に余念がないスネイプは彼女の言葉を聞き入れませんでした。
バーベッジは、ヴォルデモートによってさらし者にされたあげく殺害され、ヴォルデモートに寄り添う蛇・ナギニによって食べられてしまうのです。
スネイプの冷酷さは否定できないけれど、振り切った判断ができるからこその地位なのでしょう。ドラコ…あなたはスネイプになれますか?
ビルとフラーの結婚式
大家族の長兄として、ウィーズリー家を支えるビル・ウィーズリー(ドーナル・グリーソン)の結婚式が、本編では短いながら描かれています。
お相手は「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」にてボーバトン魔法アカデミーを代表していた麗しの女性、フラー・デルクール(クレマンス・ポエジー)。
ヴォルデモートに追われる危機のなか、仲間を失いながらも結婚式を決行したのは、「いつ死ぬかわからない」という死の近さを感じてのことだったのかなと思います。
ハーマイオニーがハリーの誕生日をお祝いしようとする場面もありました
迫る死のにおいに負けじと、生活と人生をめいっぱい楽しもうとする姿勢に胸があつくなりました。
ハリーが持っている鏡の欠片とは?
「くつしたに面白いモン入れてるね」byルーナなシーンで登場する鏡の欠片ですが、両面鏡というのだそう。
原作では、ハリーの名付け親であるシリウス・ブラックからハリーにプレゼントされています。
割れているのはハリーが発狂して雑に扱ったからとか…
鏡は対になっていて、おなじ鏡を持っている人同士をつなげてくれます。
映画では鏡についての説明が省かれていますが、ハリーにとってはシリウスとの大切な思い出なのでしょう。
終盤で鏡に映る白髪のダンブルd…男性のような姿の正体をたのしみにPART2へと歩を進めましょう。
「対になっている」と聞くと、前作でドラコが必死こいて直した“姿をくらますキャビネット棚”を思い出します
ヘドウィグの死
ハリーの悲しみに寄り添い、孤独を支え、優秀に職務をこなす賢さでハリーのみならず皆に愛されたふくろう・ヘドウィグ。
死喰い人の攻撃からハリーを守るため、楯となって死んでしまいました。
ダーズリー家で小さな檻に閉じ込められながらもハリーとともに生きてきた、まさに戦友であるヘドウィグ。VFXのみならず、多くのシーンで本物のふくろうが演じています!
ヘドウィグが守ったことで、ポリジュース薬にたよらない本物のハリーの居場所がヴォルデモートにばれてしまいます。
しかし一方で、命を張ったヘドウィグのおかげで、ハリーはヴォルデモートが持つ杖を折ることに成功しました。
束の間の勝利!体制を整えよう
ドビーはなぜ地下牢へ来れた?
先ほどふれた“ハリーが持っている鏡の欠片”の、対となっているもう1つの鏡の持ち主がドビーを遣わしました。
両面鏡を見て、ハリーたちの危機を知ったからです。
ダンブルドアっぽい誰か…とだけ言っておきましょう
映画では省かれていますが、原作ではほかの場面でもドビーがハリーたちを助けるシーンがあるのだそうです。
死の秘宝での死亡キャラ一覧
死亡者
- チャリティ・バーベッジ
- ヘドウィグ
- アラスター・“マッドアイ”・ムーディ
- ルーファス・スクリムジョール
- バチルダ・バグショット
- ドビー
前述したバーベッジ、ヘドウィグ、マッドアイ、ドビーのほかに重要なキャラクターが2名死亡しています。
魔法大臣スクリムジョールの死は映像として描かれてはいませんが、ビルとフラーの結婚式中に、ハリーたちが魔法省の陥落とスクリムジョールの死を知るカットがありました。
原作には、ハリーを守る選択をしたスクリムジョールがヴォルデモートによって殺される記述があるのだそう。
もう1人の死者、バチルダ・バグショット(ヘイゼル・ダグラス)は魔法史の研究家で、“誰よりもダンブルドア一家と親しい間柄”にあった女性です。
ハリーとハーマイオニーが、ゴドリックの谷にあるバチルダの家に赴いた際、実はすでに彼女は亡くなっており、2人の前に現れたバチルダの正体は蛇のナギニでした。
ハーマイオニーの予想通り、ハリーがかつて暮らしていたゴドリックの谷なんてイージーすぎてヴォルデモートいるに決まってると思ったら、やっぱりいました
死の秘宝での裏切者
ポリジュース薬を使ったハリーの移動は、密告者の存在によりマッドアイを死に追いやる結果となりました。
本作から登場のマンダンガス・フレッチャー(アンディ・リンデン)は、マッドアイと二人一組になり移動していた男。
マッドアイが襲撃された際にも、ひとり“姿くらまし”で逃げています。
上記の理由でもちろん非難を浴び、裏切者として嫌悪されますがしかし、あくまで不死鳥の騎士団のメンバーなのです。
マンダンガスはダンブルドアに命を救われたことがあるんだって
本作でハリーたちがマンダンガスを見つけ出したときも、なんというかコソ泥的な、しょぼいおじさんという印象が強く、スネイプなどに感じるようなダークサイドが、ちょっと薄い感じがしました。
マッドアイも、マンダンガスに対して口調は強いながら「見放せない」という思いがあったのでしょう。
「裏切者」と名指しで責めるべきキャラクターなどいないように思います。
わかります、マンダンガスうざいし、スネイプ怖いし、ダンブルドアもちょいちょい意味不明だし、人間不信な気持ちになりますが、PART2の最後までできるだけジャッジはせずに、彼らと適切な距離を保ちたいところです
「ハリー・ポッター」シリーズは、人間の複雑さを描いた傑作です。
善悪の境界線などなく、だれもが善と悪にゆさぶられ、つねに選択を迫られている。
つまり私たち観客となんら変わらない世界の物語なのです。
「こいつが裏切者!」と答えを出したい気持ちをこらえて、死の秘宝の行方を見守りましょう。
映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」の評価・感想
観るたびにルーナという人間の素晴らしさに感動しています。心ここにあらずなハリーに話しかけてしまったあと、「考えごとのジャマしちゃった?瞳のなかで考えがしぼんでるもん」ですって。魔法関係なく人間力高い!
魔法アクション
ポリジュース薬でたくさんのハリーが一堂に会するシーンは傑作でした!
ハリー役のダニエルは、上記のシーンで95回ものテイクを重ねたのだとか。
ポリジュース薬が物語の軸となる本作では、ほかにもハリーたちが魔法省の職員になりすますシーンもありました。
ポリジュース薬で他人になりきるシーンを見ると、いつも「役者さんたのしそう♡」とわくわくします!ロンが変身したレジナルド・カターモール(ステファン・ロードリ)の歩き方なんてまじロンすぎて最高
本作ももちろん圧巻の魔法アクションが楽しかったです。
ストーリー展開
重たいです。
重たいしたくさん死ぬしつらいこといっぱい起こります。
でもハリーはへこたれません。
次作で終わりなので、駆け足てんこ盛り盛り中身ぎゅうぎゅう感は否めないですが、それでいて観客がギリギリ付いていける親切なつくりには毎話感動します。
いよいよ間近に迫るヴォルデモートとハリーたちとの“陰陽魔法対決”、とくくればシンプルですが、つねに善と悪をぐらつかせながら人間の内面をえぐり出すストーリー展開は美しいことこの上ないです!
陰も陽だし陽も陰!勧善懲悪ではないリアルさが、「ハリー・ポッター」シリーズの爆発的魅力です
人生訓のつまった最高の映画です!
再視聴
「死の秘宝 PART1」という“終わりの始まり”は、何度観ても悲しい死は多いし、ハリーたちは苦しそうだし、長旅の終わりを感じて寂しい思いになってしまいます。
だけれど、ニワトコの杖に関するトリビアや、映画では描き切れなかったバックボーンなどを知るにつけ、再視聴のたびに新たな発見があって驚きます。
私の人生あと何度ハリーポッター観れるんだろう。絶対めっちゃ観ます
\ハリポタシリーズ過去作を一挙配信中 /
まとめ|重たすぎる展開に頭を抱える人も「死の秘宝PART2」も見てほしい
ドラコの闇堕ちはとどまるところを知らず、スネイプへの信頼は地に落ち、亡きダンブルドアの謎だらけの生涯にも不安を覚えてしまう「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」。
ハリーにつられて悲しい気持ちになってしまうかもしれませんが、次作でいよいよ完結です。
全キャラクターの行く末を目に焼き付けるため、私たちも力をたくわえましょう。
笑顔でさよならできるといいな!