GENERATIONSをアイドルと捉えるかはさておき…。
ファン向けのMVくらいに思っていませんか?この傑作ホラー「みんなのうた」を。
私はGENERATIONSのメンバー全員の名前をやっと本作で知ったほどのニワカですが、しっかりファンになりました。
時代に合わせて形を変えていく、清水崇監督のバランス感覚が一番恐ろしい、映画「みんなのうた」を考察します!
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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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公開日 | 2023/8/11 |
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監督 | 清水崇 |
脚本 | 角田ルミ 清水崇 |
キャスト | 白濱亜嵐 片寄涼太 小森隼 佐野玲於 関口メンディー 中務裕太 数原龍友 ほか |
音楽 | 小林うてな 南方裕里衣 |
上映時間 | 1時間42分 |
配給 | 松竹 |
公式サイト | 「ミンナのウタ」公式サイト |
上映劇場 | 「ミンナのウタ」上映劇場 ※公開当時の情報です |
【みんなのうた】ホラーのネタバレあらすじ(ラスト・結末まで)
それでは早速、「みんなのうた」のあらすじをラスト・結末までネタバレありでご紹介します。
映画をまだ見ていない方はご注意ください。
起:小森隼の失踪
GENERATIONS from EXILE TRIBE(以下GENERATIONS)は、ライブを控えるなかメンバーである小森隼の失踪に頭を抱えています。
探偵の権田(マキタスポーツ)は、GENERATIONSのマネージャー・角田凛(早見あかり)からの依頼を受け、小森の行方を追うことに。
“3日以内に見つけるように”と頼まれた権田は、メンバー各々に聞き取り調査を行います。
メンバーはそれぞれ小森を最後に見た日のことを語りますが、皆一様に不安を隠せません。
「心ここに在らず」といった状態で、皆なにかに怯えた様子。
小森は失踪前、「メロディがついてくる、頭から離れない」と口走っていました。
霊感のある中務裕太を筆頭に、“この世のものではない何か”の姿を見始めるGENERATIONSのメンバーたち。
さらに、権田の元にも“メロディがついてくる”現象が起き、余裕ぶっていた権田も焦りを見せ始めます。
承:恐怖の連鎖
霊らしきものは制服を着ており、少女のような見た目をしています。
少女の霊が現れたきっかけは、ラジオ局で見つかった古いカセットテープの存在でした。
テープは30年前にリスナーから送られてきたもので、ラベルには「ミンナノウタ」とあります。
カセットには、不気味なメロディが録音されていました。
逆再生してみたりと試行錯誤する権田とGENERATIONS
ふと、テープが入れられていた封筒を見て、青ざめる権田。
テープの差出人は、権田の中学時代の同級生でした。
名前は高谷さな。
権田が中学3年のころに起きた、とある転落事故に深く関わっていた人物だったのです。
転:高谷家
早速、封筒に書かれた住所へと向かったメンバーたち。
高谷家は荒れ果て、廃墟と化していました。
すると、霊感のある中務が、高谷家に入っていく幼い男の子を見てしまいます。
男の子の後を追って高谷家の玄関を開けた中務は、30年前にタイムスリップ。
清水崇監督作品は時空ゆがみがち
中務の目前には、高谷さなの母親が異様な姿で現れます。
あまりの恐怖に高谷家を飛び出した中務は、無事生還しました。
権田は、かつての同級生である高谷さなのことを探るべく母校へと向かいます。
実は、高谷さなは実母から虐待を受けていました。
そのせいで纏った暗い雰囲気に加え、同級生の転落事故に居合わせた後も気に病む様子を見せず登校し続けた高谷は、クラスメイトから気持ち悪がられていたのです。
他に事故を目撃した同級生たちは、ショックで不登校になってしまったんだって
当時、学校では「ある歌が事件を起こした」という噂がささやかれていました。
結:さなの真実
権田に課せられた小森の捜索は、期日である3日目に突入します。
母校で高谷家の秘密にふれられた権田は、メンバーの白濱亜嵐とマネージャー・角田とともに高谷家を訪れました。
すると、玄関に飾られた鏡のなかに30年前の高谷家が見えるのです。
30年前のある日、さなは両親を巧妙に利用し自殺を図りました。
実は、さなは“死の音”というものに魅力を感じ、小動物を殺す瞬間の音などをテープに録音していたのです。
その趣味が高じたのち、“自分の死に際の音を録音したい”という危うい思想にたどり着いた、さな。
レコーダーの録音ボタンを押すと、両親を騙して自殺を幇助させたのでした。
そもそも虐待されてたもんね
鏡のなかにおぞましい真実を見た角田は、耐えきれず目の前の朽ちた階段を駆け上がり、さなの部屋に入ります。
すると、角田は30年前にタイムスリップし、いま死なんとする高谷さなが目の前に。
角田がさなにしがみつくと、無我夢中だったさなは一瞬、我に返ったような表情をみせます。
さなの過去が少しだけ変わったことで、失踪していた小森隼は、元いた現在の世界に戻ってきました。
意味?わからないよ。30年前に行ってたのかも?ちなみに、さなはやっぱり死んじゃったように見えたけど、それもわからないよ!
メンバーがそろったGENERATIONSは、無事ライブを行うことに成功します。
胸を撫でおろす角田でしたが、ライブ会場には高谷さならしき姿が、カセットテープとともに現れるのでした…。
【みんなのうた】ホラーのネタバレ解説!高谷さなは何者?続編はあるのか
次に「みんなのうた」のネタバレになる部分を解説。
物語の鍵となる”高谷さな”や続編「あのコはだぁれ?」についても触れています。
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「みんなのうた」ラスト・結末の解説
これまでの怨霊騒動などどうでもよくなるような、圧倒的リアリティを保ったライブシーン。
本物のライブにカメラを入れたのであろう圧巻のライブシーンで、キラキラした各人の姿に癒されたのも束の間、高谷さなの不気味な鼻歌が会場に響き渡り…。
高谷さなの夢は、「自分の歌をたくさんの人に届けたい」というものでした。
その“歌”の成り立ちがおぞましいんだけど
死してなお、夢の実現に向け突き進んださなが立った巨大なアリーナに、私は少しだけ胸が熱くなりました。
死んでからも夢って叶うんだ…
結局、GENERATIONSのメンバーの命まで取るようなマネはせず、憑くにとどまってアリーナに立った、さなのド根性を評価したいところです。
ニュー・ホラー・クィーンこと高谷さなは何者?
“死の音”を集めたい、その一心で生きた、そして死んでいる高谷さな。
そこに感情はない!いじめられるとか怖がられるとかキモがられるとかどーだっていい、「私は死の音を集めたいの」というピュアな一点突破
「悪魔のいけにえ」のソーヤー家も「マーダー・ライド・ショー」のファイアフライ家も、映画界に輝くホラースターたちは皆ピュアでした。
まさにニュー・ホラー・クィーンと呼ばれるべく生まれた、猪突猛進型夢追い人さな。
感情をもたない高谷さな、死んでも死なない高谷さな、だってだって「死の音がほしいんだもん…」
単純明快なクィーンの行く末は、清水崇監督最新作「あのコはだぁれ?」にてしっかり描かれていますので、今すぐ劇場へGO!
ちなみに本作「みんなのうた」の英題は「SANA」だそう!
なるべくしてクィーンに…
追いつけ伽椰子、追い越せ貞子!
「みんなのうた」元ネタになった怪談や都市伝説はある?
元ネタ等々は見当たりませんでした。
本作のヒットを経て、次作「あのコはだぁれ?」の製作に至ったという清水監督。
本作が、次作の元ネタになっているんだね
1作じゃ語り尽くせない高谷さなの魅力を、大スクリーンで拝めるうちに劇場へどうぞ!
本作「みんなのうた」鑑賞後ほやほやで「あのコはだぁれ?」に突入してほしい!絶対たのしいから
続編?の「あのコはだぁれ?」が公開中
そう、散々言ってますが2024年7月現在上映中の「あのコはだぁれ?」は、「みんなのうた」のDNAで構成された純然たる続編です。
とはいえ、個人的には「みんなのうた」で復習必須、とまでは思いません。
「あのコはだぁれ?」は高谷さなと、さなの周囲で起こった不可解な物語にコミットした、より高谷家に入り込んだ内容です。
GENERATIONSの続投はありませんが、「みんなのうた」で清水崇ワールドに興味をもってくれた貴方に、ぜひホラー映画も推してほしいです
【みんなのうた】ホラーの印象的なキャスト3選!お母さん役は?(ネタバレ)
次に、映画「みんなのうた」で印象に残ったキャストを3名ご紹介します。
鑑賞の際はぜひ彼らに注目してご覧ください…!
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①小森隼役/小森隼
まず、出だしからめっちゃ声が出ていて最高です。
早々に行方不明となり物語の軸を担った小森さんですが、映画の冒頭では元気そうな姿を存分に魅せてくれます。
筆者、大きな声でハキハキしゃべってくれる俳優が大好き
距離感皆無のハキハキ台詞回しでありながら、きちんとリアリティを伴っている不思議。
小森さんご自身というより、本作における“小森隼”の、フランクな存在感に納得しました。
ラジオ放送でもまじで声デカい小森さんの、一貫したまっすぐさに笑みがこぼれます
②角田凛役/早見あかり
GENERATIONSを束ねる敏腕マネージャー・角田凛として、まさに凛とした態度で野郎どもを統括していた早見あかりさん。
一線を引いた見事な自立感が、角田凛の存在を際立たせます。
何より終盤で高谷さなを抱きかかえ、時空を飛び越えながらスローモーションで捉えられる“階段落ち”は、見るかぎりスタントなし!
本作を代表する名シーンでは?
「みんなのうた」という作品を反芻したとき、強く脳裏に焼きついているシーンだと思います。
まさしく体当たりで負の連鎖を止めたマネージャーの鑑、角田凛に一票!
③高谷詩織役/山川真里果
公式からの詩織の写真提供は、次作「あのコはだぁれ?」と併せても一切なし。
高谷さなの“毒親”として薄気味悪く存在している詩織ですが、おそらく、さなを演じた穂紫朋子さんとともに、今後さらに大注目されるであろう山川真里果さん。
インパクト大!確かな技術で“怖がらせ役”を担うお2人の今後の活躍に期待大!
「私の赤ちゃんどこやったのよー」と突進してくる詩織はトラウマ級の衝撃でした。
ちなみに、“詩織がどうして病んでいるのか”という理由も、次作「あのコはだぁれ?」でしっかり描かれているので、やっぱり劇場へGOです。
【みんなのうた】ホラーの”怖い”シーン・場面3選(ネタバレあり)
続いて「みんなのうた」映画で怖いシーン&印象に残ったシーンをピックアップしてご紹介します。
映画を鑑賞した皆さんはどう思われましたか…?
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①恐れ慄くGENERATIONS
表舞台では、晴れやかな笑顔とたくましい肉体でファンを牽引しているGENERATIONSの面々。
しかし私生活では霊の存在におびえ、立派な身体を縮こまらせて震えているとしたら…かなりいいですね。
個人の性癖です
ご自身役でありながら、やはりGENERATIONSとしてカメラの前に立った時点で一種の“役”には入っているわけで、エンタメと存在感とのバランスが皆一様にすばらしかったです。
元々、ホラー映画には「恐怖に顔をゆがませる女性の顔が見たい」という願望がひそんでいたはずでした(そこにジェンダーとかキモいとか言いだすのは無粋)。
それ故、女性アイドル主演によるホラー映画が乱立しているわけですが、GENERATIONSは本当に良い意味で、その文化に乗っかっていたような気がします。
男くささ、ひいては人間ぽさを排除した“アイドル”としてのふるまい。あえて絶叫顔も崩しすぎない。最高!
エンタメとはなんたるか、ということに挑戦し続けている感のある、LDHならではの仕上がりに拍手!
②俊雄
俊雄、と聞けば「呪怨」を思い出すほどの、もはや貞子=リングに匹敵するホラーアイコン・俊雄。
清水監督の、小粋なセルフオマージュを感じる役名と、つるつるおかっぱ頭のビジュアルがありがたいです。
次作「あのコはだぁれ?」の感想で「今までで一番怖いホラーをみた」というものを散見しましたが、ぜひ「呪怨」みてみてね若者のあなた…U-NEXTにあるからね…ぶっ飛ぶから
本作「みんなのうた」のなかで、個人的に最も怖かったと思うカットが俊雄とメンディーのところでした。
20年以上の時を越えて、パワー系の俊雄にいまだビビらせていただけることに感謝です。
③高谷さなの奇行
カセットレコーダーをぶら下げて暗闇に佇む高谷さなのビジュアルが先行していますが、さなの魅力はそれ以外にも、様々な奇行で表現されます。
“死の音”を集めてまわるのもシンプル奇行ですが、その音源をラジオに投稿するというのも、考えてみれば奇行。
電波ジャック的に呪いを伝染させたい、という効率の良さにはジョン・クラシンスキー監督「クワイエット・プレイス」シリーズの、人工内耳のくだりがオーバーラップしたり
ギャル文字ならぬ、独特のサナ文字でカセットテープに陽気なお手紙を添えていたのも気になります。
あとは自分の血を舐めたり自販機の下にたまったヘドロを舐めたり…?
意味とか関係なく薄ら気色悪い行動が、ホラークィーンたる魅力の一部と感じました。
最新作「あのコはだぁれ?」内でも、自販機にまつわる高谷さなの奇行が描かれていました!
回を重ねるごとに迫力を増している、さなの快進撃に期待は高まるばかりです。
【みんなのうた】ホラーを実際に鑑賞した感想と評価(ネタバレあり)
ストーリー展開
“消えたメンバーを、ライブ当日までに取り戻す”というシンプルにまっすぐ伸びた一本の軸により、非常にわかりやすい仕上がりです!
霊の登場も早く、「敵がだれなのか」が明確なのも良い
清水作品おなじみの時空を越える描写は混乱を招きますが、不可思議な世界は画面上でのみなぜか成立しているので大丈夫!
オーラスのライブ映像、並びに高谷さなの出現は完璧なラスト感を伴いキラキラと輝きます。
ライブシーンの迫力は圧倒的で、「アンダスタンド!」という気持ちになれます
結末への評価
GENERATIONSが本人役として出演しているということは、もちろんライブシーンがあって然るべき、そしてそれは結末であるべきです。
最高でした!
そして、お約束に乗っ取った高谷さなの存在は、ビカビカのアリーナでも陰湿な空気を纏い、1人だけ白黒に見えるほどの異質さ。
さなのジトッとした視線を感じるラストこそ、最新作「あのコはだぁれ?」を製作するに至る、のびしろでした。
怖さ…
上記場面写真の描写など、意味がわからないからこそ恐ろしいカットが結構あって良かったです。
唐突に登場して観客を驚かせる、びっくり箱的なホラーシーンも多々ありますが、受け手がGENERATIONSの面々なのでカットバックで癒されます。
そもそも、小市民が想像し得ないスターたちのホテル暮らしが物語のベースなので、全体的にリアリティをもたず、良い距離感を保ったまま傍観できるのが利点。
ホラー初心者のあなたも楽しめる作品だと思います!
再鑑賞
すでに3度観返しているほどお気に入りの本作。気軽にリプレイできるサブスク時代に感謝しながら、何度も観たいです!
【みんなのうた】ホラーのネタバレあらすじのまとめ
文中で再三おすすめした最新作「あのコはだぁれ?」の前談的存在「みんなのうた」。
2作にとどまらず、これから長くシリーズ化されていきそうな高谷家の呪い、その行方を引き続きウォッチしていきましょう。
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