映画「ブルー きみは大丈夫」は、日本語吹き替え版も豪華な声優陣が揃っているということで、公開前から話題になっていた作品です。
心温まるファミリー作品ですが、実は“大人世代に刺さる癒やし&泣ける映画”として話題になっています。
この記事では、ネタバレありのあらすじや映画の見どころ、豪華なキャストや吹き替えの情報などをでご紹介します。
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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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公開日 | 2024年6月14日 |
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監督 | ジョン・クラシンスキー |
原作 | なし |
脚本 | ジョン・クラシンスキー |
キャスト | スティーヴ・カレル ケイリー・フレミング ライアン・レイノルズ フィービー・ウォーラー=ブリッジ ジョン・クラシンスキー |
音楽 | マイケル・ジアッキーノ |
上映時間 | 104分 |
配給 | 東和ピクチャーズ |
公式サイト | 「ブルー きみは大丈夫」公式サイト |
上映劇場 | 「ブルー きみは大丈夫」上映劇場 |
【ブルー きみは大丈夫】のネタバレあらすじ:ラスト・結末まで解説
「ブルー きみは大丈夫」のあらすじを結末までネタバレありでご紹介しています。
映画を未鑑賞の方はご注意ください。
起:カル&イフたちとの不思議な出会い
数年前に母親を癌で亡くした12歳の少女ビー(ケイリー・フレミング)は、ニューヨークにある祖母(フィオナ・ショウ)の家に引っ越してきました。
かつてビーの母親が入院していた病院で、今度は父親(ジョン・クラシンスキー)が心臓手術を受けることになっていたのです。
ビーの父親は、不安を隠せない様子のビーに対していつものようにおどけて安心させようとします。
しかしビーは、「もう子どもじゃないんだから、大丈夫」と大人びた態度をみせるのでした。
ある夜、ビーは母親の古いビデオカメラの充電器を買いに出かけ、その帰り道に不思議な生き物を見かけます。
こっそり後をついていくと、その不思議な生き物は祖母と同じアパートの上の階の部屋へと消えていきました。
翌日ビーは、また不思議な生き物と一人の男性が近所の家へと侵入するのを目撃します。
そしてその男性は、家の中から大きな“もふもふ”の紫色の生き物を捕まえて出てきたのでした。
びっくりしたビーの目の前に、更に蝶のような不思議な生き物も現われ、仰天したビーは気を失ってしまいました。
ビーが目を覚ますと、上の階のアパートの一室にいました。
先ほど見かけ男性・カル(ライアン・レイノルズ)と、不思議な生き物たちもいます。
紫色の”もふもふ”はブルー、蝶のような生き物はブロッサムという名前の、「イフ」と呼ばれる子どもにしか見えない「空想の友達」だと紹介されます。
イフ(=イマジナリー・フレンド)とは子どもにしか見えない特別な存在で、成長するにつれて殆どの人が忘れてしまうのです。
カルはイフを見ることができるので、子どもから忘れ去られてしまったイフたちに、新しいパートナーとなる子どもたちを探そうとしていたのでした。
最初は気が進まなかったビーでしたが、カルと一緒にイフたちを助けることに決めました。
承:イフと子どものマッチング作戦開始!
翌日、カルはコニー・アイランドの遊園地の地下にある「思い出ホーム」という施設へビーを連れていきました。
その施設には、パートナーの子どもがいなくなってしまった様々なイフたちが暮らしていました。
施設の責任者である年老いたテディベアのルイスは、想像力を働かせてこの施設をビーの思い通りに作り変えてみたらどうか、とビーに提案します。
ビーが瞳を閉じ想像を膨らませると、みるみるうちに施設がビーの想像通りに作り変えられていくのでした。
ビーは沢山のイフたちやカルと一緒に、自分の作り上げた想像の世界を思いっきり満喫しました。
そして、父親と同じ病院に入院している少年・ベンジャミンとイフをマッチングさせるアイディアを思いつきます。
ビー、カル、そしてルイスは、ベンジャミンのパートナーに相応しいイフを見つけるために、オーディションを開催しました。
そして見事オーディションを勝ち抜いたイフたちを連れて、ベンジャミンの元に向かいました。
ところが、ベンジャミンにはイフが全く見えないのでした…。
作戦が失敗に終わり、ビーはすっかり落胆している様子。
コニー・アイランドの桟橋でルイスと一緒に話をしているうちに、ビーに新しいアイディアが浮かんできました。
かつて一緒にいた子どもと再会して、イフの事を思い出してもらう必要があるのかもしれないと、考えるようになったのです。
転:イフと子どもの感動の再会
その夜ビーは、祖母に子どもの頃に何になりたかったか何かを尋ねました。
祖母はバレリーナを目指していたと明かし、その頃の写真をビーに見せてくれました。
なんとその写真の背景に、ブロッサムが写っていたのです。
ブロッサムが祖母のイフだったことに気づいたビーは、こっそり祖母の古いレコードをかけました。
懐かしい音楽を聞いた祖母は、昔を思い出すようにバレエのステップを踏み始めたのです。
すると突然、ブロッサムの体から光が放たれました。
これは、祖母がブロッサムのことを思い出したという意味でした。
ビーは、やるべきなのは「かつての子どもたちに、イフの事を思い出してもらうこと」だと理解しました。
カルやイフたちに協力してもらって、ブルーのパートナーだったジェレミーを見つけ出します。
すっかり大人になったジェレミーは、なにやら重要なプレゼンを前に緊張している様子でした。
張り詰めた空気の待合室で、落ち着きのない様子のジェレミー。
そんなジェレミーの前で、ビーはおもむろに焼きたてのクロワッサンを食べ始めたのです。
最初は不審に思ったジェレミーでしたが、クロワッサンの香りで突然何かを思い出した様子。
ジェレミーの両親がパン屋を経営していたので、クロワッサンの香りはブルーと一緒だった子どもの頃を思い出させる重要なアイテムだったのです。
すると突然、ブルーの体から光が放たれました。
ブルーは、ジェレミーの肩に手を乗せて「大丈夫」と優しく声をかけました。
ブルーのおかげでジェレミーの表情はみるみる自信に溢れ、会議室へと意気揚々と入っていきました。
結:ラストでビーが思い出した、カルの正体
その夜ビーが帰宅すると、祖母が急いで病院に行く準備をしていました。
父親の手術は無事終了したものの、体調が急変したと病院から連絡があったのです。
動揺したビーは、カルの部屋へ向かいました。
母親と死別した辛い思い出のあるビーは、父親とも別れを告げるのは嫌だと泣きながらカルに話します。
カルはビーを慰め、別れを告げる代わりに物語を語るようアドバイスするのでした。
ビーが病院に到着すると、父親はベッドで静かに眠っていました。
ビーはベッドの横に座ると、カルに言われた通り寝ている父親に話を始めました。
自分はまだ父親を必要とする子どもなのに、大人のように振舞おうとしていたことに気がついた、という素直な気持ちを打ち明けたのです。
すると父親は目を覚まし、安堵したビーと抱き合うのでした。
ビーが病室を出ると、病院に来ていたはずのイフたちの姿が見えなくなっていました。
ビーはお礼を言うためにカルの部屋を訪れましたが、ノックをしても誰も出てきません。
アパートの家主がカルの部屋のドアを開けると、その部屋は倉庫として使われていて誰もいませんでした…。
数日後、ビーの父親は無事に退院し、ビーは自宅に帰るために荷物をまとめていました。
車のトランクに荷物を乗せたはずみで、ビーが子どもの頃に作ったアート作品や絵が入った箱を落としてしまうのです。
ビーはその箱の中から、ビーと両親そして“カルビン”というピエロが描かれた絵を見つけました。
その絵を見た瞬間ビーは、カルこそが忘れてしまっていた自分のイフだったことに気づいたのです。
ビーは急いでカルの部屋を訪れ、再び姿を表したカルに感謝の気持ちを伝えました。
そして、ビーはこれからもいつもカルが必要であると告げました。
ビーがニューヨークを去った後、残りのイフたちもそれぞれの子どもたちと無事に再会を果たすのでした。
【ブルー きみは大丈夫】ネタバレ解説&考察
次に「ブルー きみは大丈夫」のネタバレになる部分を解説していきます。
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ラスト・結末でブルーは創造主に再会できた?
ビーやカルたちの助けによって、ブルーは自分を創造してくれたかつてのパートナー、ジェレミーと再び出会い心を通わせることができました。
きっとジェレミーが子どもの頃も、辛い時や大変な時には、ブルーが「きみは大丈夫」と何度も勇気づけてくれていたのでしょう。
子どもの頃のブルーとジェレミー様子を想像すると、その話だけでもう一本映画を作れてしまいそうですよね。
ブルーは昔の事を思い出す時、クロワッサンとコーヒーの香りを思いだすと話していました。
ジェレミーがブルーのことを思い出すきっかけとなったのも、クロワッサンの香りでした。
香りと記憶は深く結びついている、と言われているので納得ですよね。
余談ですが、ブルーは昔美味しいパンを沢山食べたであんなにふもふになったのかな?と思ってしまいました。(笑)
ライアン・レイノルズ演じる“カル”の正体は
大人なのに何故かイフが見える、謎の男性カル。
ビーのような少し大人びた子どもでもいつの間にか懐いてしまうような、不思議な魅力を持ったキャラクターです。
ストーリーの最後に、ビーは自分が子どもの頃に書いた一枚の絵を見つけたことで、カルがビーのイフだったということを思い出します。
物語の中盤、カルがなんだか切ない表情や発言をしていたのは、なかなか思い出してもらえないイフなりの苦悩だったということが納得できました。
恐らくビーは母親を亡くし寂しく思っていた時に、想像の世界の中でカルと沢山の楽しい体験をしたり、辛い時には慰めてもらったりしたのでしょう。
カル役を演じたのは、『デッド・プール』のライアン・レイノルズです。
普段はかなり濃いめのキャラを演じることが多いライアンですが、今作ではビーをサポートする引き立て役に徹していたのが印象的でした。
原題「IF」の意味は?
本作の原題「IF」は、どのような意味なのでしょうか。
幼少期に空想上の友達が見えるが、成長すると忘れてしまうという、心理学・精神医学における現象が“イマジナリー・フレンド”です。
Imaginary Friendの頭文字をとった、略称のIF(イフ)がタイトルに使われています。
「もしもイフがいたら…」のIFの意味でもあるのかもしれません
イマジナリー・フレンドは欧米では一般的な概念ということで、様々な映画や小説などにも登場しています。
“誰もが子どもの頃にイマジナリー・フレンドがいるもの”と言われていて、誰にとっても身近なテーマとされているそうです。
日本人にとってはどうでしょうか?
「イマジナリー・フレンド?初めて聞いた!」と思ってしまうかもしれませんが、難しく考える必要はないようです。
簡単に言ってしまえば、トトロやドラえもんも一種のイマジナリー・フレンドなのではないでしょうか。
自分に必要な存在や、心の奥にある願望が形になったものが、イマジナリー・フレンドを生み出す深層心理なのだそうです。
メイちゃんやのび太が、心の中で願っていたものが形になって現われたのがトトロやドラえもんですよね。
そう考えると、イフたちのことをもっと身近な存在として感じられますね。
今作で1番伝えたかったことは…
クラシンスキー監督はイフについて、「美しく素敵な存在を大人にも信じて欲しい」「イフは、子ども時代の夢や希望が詰まったタイムカプセル」と発言していました。
想像上の友達=イフは、子どもの頃だけではなく大人になってからも大切な存在なので、忘れずに大事にして欲しい。
これが、今作で監督が伝えたかったメッセージはなのではないでしょうか。
例えば、ビーのように大切な人を失った時、ジェレミーのように仕事で精神的にまいっている時、ビーの祖母のように大舞台を前に緊張している時。
困難な時にこそ、イフのような存在が自分を勇気づけてくれるということを、かつて子どもだった大人たちにも伝えているのだと思いました。
【ブルー きみは大丈夫】印象に残ったキャスト3選(ネタバレあり)
続いて、「ブルー きみは大丈夫」で印象に残ったキャスト3名をご紹介します。
①ビー役/ ケイリー・フレミング
ケイリー・フレミング演じるビーは、イフたちに新たにペアとなる子どもを探してあげようとする、心に傷を抱えた少女です。
ストーリーの前半では、傷ついた心をかばうように大人びた態度をとり、生気のない瞳をしています。
しかしカルやイフたちと触れ合ううちに、段々と目に光が宿ってくる様子をケイリーは見事に演じていました。
「スター・ウォーズ」シリーズや「ウォーキング・デッド」などにも出演し、元々“天才子役”として知られていたケイリー。
今作では、ライアン・レイノルズやジョン・クラシンスキーといった人気俳優がかすむほどの、圧倒的な存在感と演技力を見せつけていました。
クラシンスキー監督曰く、「オーディション会場に入ってきて15秒でこの子だ!と直感した」と話していたのも納得です。
中盤の見どころのミュージカルシーンもケイリーの魅力全開で、最高にハッピーでキラキラに仕上がっています。
今後の出演作品は今のところ未定のようですが、将来が楽しみな女優さんです!
②ビーのお父さん役/ジョン・クラシンスキー
ビーの父親役を演じたのは、本作の監督・脚本も兼任しているジョン・クラシンスキー。
映画監督としては、ホラー映画の「クワイエット・プレイス」シリーズが有名です。
しかし今回は、心温まるファミリー映画という真逆のジャンルで新たな才能を発揮しています。
最初にイフが現れるところなど、所々ホラー映画っぽい演出もありました
優しくて面白いけどティーン女子にとっては“ちょっとウザい”存在になりつつある父親役を、チャーミングに演じています。
個人的にはドラマ「ジャック・ライアン」を観てから大ファンなので、優しいパパ役を演じるジョンの姿にかなり胸キュンでした!
③スペースマン役/ジョージ・クルーニー
施設で暮らすイフたちの一人、スペースマン。
他のイフに比べてあまり目立つ存在ではないのですが、なんと大物俳優ジョージ・クルーニーが声優を担当しています。
映画「ゼロ・グラビティ」でジョージが宇宙飛行士役を演じたので、キャスティングされたということなんです。
クルーニー様の無駄遣い?!とも言えなくもないですが、くすっと笑えるポイントでした。
イフたちの吹き替えには、他にも錚々たるハリウッドスターたちが名を連ねているので要チェックです!
- ブルー役:スティーヴ・カレル
- ユニ役:監督の妻&女優のエミリー・ブラント
- お花のサニー役:マット・デイモン
- グラスの中のアイス役:ブラッドリー・クーパー
- オクト・キャット役:ライアン・レイノルズの妻&女優のブレイク・ライブリー 等々
【ブルー きみは大丈夫】吹替版のキャストを解説!
さらに!話題になっているのが「ブルー きみは大丈夫」の日本語版吹き替え声優です!
キスマイ・宮田俊哉さんほか、日本のアニメ界を代表する超超人気声優たちが登場しています。
登場人物 | 吹き替え声優 |
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ビー | 稲垣来泉 |
ブルー | 宮田俊哉(Kis-My-Ft2) |
カル | 加瀬康之 |
ブロッサム | 三森すずこ |
ビーのお父さん | 浪川大輔 |
ビーのおばあちゃん | 高島雅羅 |
ルイス | 麦人 |
アンドロメダス3世 | 上田燿司 |
コスモ | 大塚明夫 |
オクト・キャット | 甲斐田裕子 |
スーパードッグ | 神谷浩史 |
アイス | 桐本拓哉 |
スペースマン | 小山力也 |
マジシャン・マウス | 島﨑信長 |
スライムボール | 下野紘 |
美術教師 | 諏訪部順一 |
ユニ | 園崎未恵 |
アリー | 高乃麗 |
ロボット | 津田健次郎 |
ガミー・ベア | 早見沙織 |
サニー | 平田広明 |
石けんバブル | 本名陽子 |
バナナ | 森川智之 |
日本語版の声優陣も、とても豪華ということで話題になっていました!
ブルー役を担当したのは、大のアニメ好きとして知られるKis-My-Ft2の宮田俊哉さん。
これまでアニメ作品の吹き替えは多く担当してきましたが、実写の洋画の声優は本作が初挑戦だったそうです。
カル役を担当したのは、加瀬康之さん。
「デッドプール」シリーズや「フリー・ガイ」等、数多くの作品でライアンの吹き替えを担当している、ライアン作品になくてはならない存在です。
ビーの父親役を担当したのは、浪川大輔さん。
ブルーの声を担当した宮田さんが声優に初挑戦した際に、なんと浪川さんからレッスンを受けたことがあるとのこと。
宮田さんは今でも浪川さんのことを、“師匠”と尊敬している間柄なんだそうです。
ビー役を担当したのは、稲垣来泉さん。
現在13歳の稲垣さんは、NHK連続テレビ小説やNetflixのドラマ「忍びの家 House of Ninjas」等に子役として出演しています。
「映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日」で声優デビューも果たし、今年からnicola専属モデルになるなど、様々なジャンルで活躍しているようです。
残念ながら私は字幕版で鑑賞したので、ネット上の吹替版の評判をみてみました。
吹き替えで見た人の感想でも、やっぱり加藤さんのライアンが最高!安定のクオリティ!という意見が多かったです。
ライアンのあの独特なテンションをうまく表現出来るのは、加藤さんしかいないのかもしれません。
宮田さんの優しい&可愛いキャラと、ブルーのイメージがぴったりでよかったという意見も多かったです。
稲垣来泉さんの透明感のある声が、大人と子どものあいだで揺れる少女の絶妙なニュアンスをうまく表現していたという意見もありました。
字幕版と同じくらい、吹替版も評判が良いようです!
【ブルー きみは大丈夫】印象に残ったシーン・場面3選(ネタバレあり)
①ビーのイマジネーションが爆発!のシーン
「思い出ハウス」を訪れたビーが想像力を解き放ち、イフたちが住んでいる施設をビーのアイディア通りに描き変えていくシーンが圧巻でした!
ビーの想像力によって、施設内の長い廊下の床や壁紙が次々と作り変えられます。
カルが部屋の垣根を飛び越えて別の空間に入ると、鎧を着た騎士が剣で決闘をしていたり、真っ赤なドラゴンが火を吹いていたり、ミュージカルの舞台の上にいたり…。
空想の世界を思い描くことのワクワク感を思い出させてくれる素敵なシークエンスで、間違いなくこの映画一番の見所です!
②ビーの祖母がバレエを踊るシーン
ビーの祖母が昔を思い出しながら、ブルックリン・ブリッジをバックにバレエのダンスを踊るシーンが、とても美しく心に残っています。
「バレリーナを目指してイギリスから単身ニューヨークに渡り、血の滲むような努力を重ねながらも怪我によって挫折してしまった。
そんな彼女を支えたのは、舞台で祖母に一目惚れした祖父だった。
祖父は既に天国へ行ってしまったので、今祖母は沢山の思い出のつまったニューヨークのアパートで一人暮らしをしている…」
という、これまた一本映画ができてしまいそうな物語を勝手に想像してしまいました。
祖母役を演じたフィオナ・ショウは、「ハリー・ポッター」シリーズにも出演したアイルランド出身のベテラン女優さんです。
③透明のイフ・キースは、誰のイフだったのかが明かされた(?)シーン
個性溢れるイフたちの中に、キースと呼ばれている透明で目には見えない摩訶不思議なイフがいました。
カルがキースにつまづいて「一体どんな子が、透明のイフなんかを作り出したんだか」と怒るシーンがありました。
実は映画の最後の最後で、このキースの正体が明らか(?)になるのです。
ビーたちがニューヨークから自宅に帰ってきた時に、ビーのお父さんがキースにつまづいて「キース!」と怒るシーンです。
「そっか!キースを作ったのはビーのお父さんだったのか!」と、最後までニヤリとさせてくれる粋な展開でした。
うっかりしていると、見逃してしまうほどの小ネタですが…
しかもキースの声優にクレジットされているのは、なんとブラッド・ピット。
これはライアン主演の「デッドプール2」でも、ブラピが見えないキャラでカメオ出演したから、というマニアックな内輪ネタなのです。
もちろんブラピは一言も発していません…
【ブルー きみは大丈夫】を実際に鑑賞したレビューと評価(ネタバレあり)
最後に、「ブルー きみは大丈夫」を実際に鑑賞したレビュー・評価です。
ストーリー展開
序盤は「イフたちに新たにパートナーとなる子どもを見つける」というストーリーが展開していきます。
まさに「トイ・ストーリー」のような…
中盤から「元の子どもに思い出してもらう」と目的が変わっていくのですが、子どもが見ても理解できるようなスムーズな流れになっています。
カルの正体が明らかになる、どんでん返しの流れもわかりやすい演出になっていので、見逃してしまうかも?というような心配は全くありません。
少し気になったのは、イフに関するルールがイマイチはっきりしなかったことです。
例えば、「子どもに忘れられてしまうと消えてしまう」とブルーが恐れていたけど、具体的にどうなったらイフが完全に消えてしまうのか?
子どもに思い出してもらえると、その印として体が光るがその後はどうなるのか、、普通に話したりすることができるようになるのか?
ビーはカルのことを忘れていたのに、何故カルや他のイフ達のことが見えたのか?
といった辺りが、曖昧のままで若干モヤモヤしてしまいました。
私の理解力不足かもしれませんが…
あと、「ブルーきみは大丈夫」という邦題が、ややミスリーディングという意見もネット上の感想で多く見られました。
確かにタイトルからすると、“ブルーがど真ん中の主役の話”かと思いますよね。
正確には「ビーとカル」の物語という方が、正しいのかもれません。
結末への評価
ビーは、母親を亡くしてから自分の心の傷をかばうように「早く大人にならなきゃ」と背伸びして頑張っていました。
病室で横たわる父親に向かってビーは、「自分はまだ親が必要とする子どもなんだよ、おいて行かないで」と正直な気持ちを打ち明けました。
今思い出してもウルウルしてきます…
ビーとカルの関係については、物語の最後に明らかになります。
正直、途中でカルの正体の予想がついてしまう人が多いかもしれません。
でも最後にカルが見せた「ようやく思い出してもらえた!」と感極まった様子には、かなりジーンと胸が熱くなりました!
CGや映像への評価
紫色のもふもふのブルーを始め、頭が花の人、タコの着ぐるみを着たネコ、スーパーヒーロー犬、頭が燃えているマシュマロ、氷と水の入ったグラス、など多様なイフが勢揃いしていました。
どのイフもCGによって、非常に精巧でリアルに描写されています。
実写との合成も不自然な様子は全くなく、人間との掛け合いなどもスムーズに描かれていました。
制作にも関わったライアンが「ピクサー映画の実写版を作るイメージで制作した」と話していました。
まさにその通りで、ピクサーを見ているみたい!という素晴らしい仕上がりになっていました。
ちなみにイフが登場するシーンの撮影では、クラシンスキー監督が大きなぬいぐるみを抱えて、イフの代わり演技をしてくれたそうです。
クラシンスキー監督の映像へのこだわりは、CG以外でも強く感じられました。
祖母やカルの部屋、思い出ハウスのレトロでおしゃれなインテリアが、細部までしっかりと作り込まれていて、全体的な映像のクオリティの高さを感じます。
また、ミッドタウン、コニー・アイランド、ブルックリン・ブリッジなど、「これぞNY!」といった素敵なロケーションが沢山登場します。
NY好きの私としては、観ていてとてもテンションが上りました!
音楽についても触れておくと、ティナ・ターナーやナット・キング・コールなど名曲が沢山使われていて、大人も楽しめるポイント盛り沢山です。
「カールじいさんの空飛ぶ家」など数々のピクサー映画も担当した、マイケル・ジアッチーノのスケール感のある音楽も素晴らしかったです。
巨匠ジョン・ウィリアムズの後継者、と言われるほどの売れっ子作曲家です。
再鑑賞
実はこの作品、娘といっしょに観に行く気満々だったのですが、気分が乗らなかったらしく断られてしまったんです…(涙)
我が家の上の娘も、ビーと同じくそろそろ複雑なお年頃なので…
大人になっても子どもの頃に大切にしていたイマジネーションを忘れずにいて欲しい、という監督の素敵なメッセージ。
私もこのメッセージに強く共感しているので、次回は自宅で娘たちと一緒に見たいなと思っています。
カルの正体が分かった状態でもう一回見てみると、カルの発言や行動の伏線も読み取れそうですね。
死や永遠の別れというテーマも含まれているので、本作をきっかけに少し重めのトピックについて家族で話してみるのも良いかもしれません。
【ブルー きみは大丈夫】ネタバレありレビューとキャスト・吹き替えまとめ
クラシンスキー監督が、自分の子どもたちに見せられるようなファミリー向けの作品を作りたいと思ったのが、本作を制作したきっかけだったそうです。
ホラー映画は、お子さんが小さい頃は見せられなかったらしいです
更に奥さんのエミリー・ブラントも声優に参加しているなど、監督の家族愛がスクリーンから溢れ出してくるような、素敵な作品に仕上がっています!
大人も子どもも心からハッピーになれる本作、ぜひ劇場に見に行ってみて下さいね。