ゴジラ生誕70周年記念として制作された「ゴジラ-1.0」は、第96回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞し、日本国内だけでなく世界中からも大絶賛されている作品です。
本記事では、「ゴジラ-1.0」の概要、あらすじ、感想・評価、印象に残ったシーンとキャストについてまとめてみました。
ストーリー展開や人間ドラマの描かれ方に賛否両論?など、気になる点についても掘り下げていますので、是非最後まで読んでみて下さい。
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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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公開日 | 2023年11月3日 |
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監督 | 山崎貴 |
脚本 | 山崎貴 |
キャスト | 神木隆之介 浜辺美波 山田裕貴 青木崇高 吉岡秀隆 安藤サクラ |
音楽 | 佐藤直紀 |
上映時間 | 125分 |
配給 | 東宝 |
公式サイト | 「ゴジラ-1.0」公式サイト |
上映劇場 | 「ゴジラ-1.0」上映館リスト |
【ゴジラ-1.0 】あらすじ(ネタバレあり)
「ゴジラ-1.0」のあらすじをご紹介します。
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起:終戦直前、敷島が大戸島で見たものは?
1945年の終戦直前、特攻隊員の敷島浩一(神木隆之介)の操縦する零戦が特攻に向かう途中、機体の不具合で大戸島の日本軍の基地に緊急着陸しました。
そこで敷島は、顔見知りの整備兵の橘宗作(青木崇高)と再会するのですが、機体の異常は見当たらないと告げられます。
その日の夜、静まり返った島に突然サイレンが鳴り響き、大戸島に古くから伝わる「ゴジラ」と呼ばれる伝説の怪物が現われたのです。
本編開始5分以内に、早速ゴジラ登場というサービス満点の展開!
零戦に備え付けられた機関銃で攻撃するようにと橘から頼まれた敷島でしたが、恐怖に震え撃つことができません。
その結果、運良く難を逃れた敷島と橘以外の全員が、ゴジラに襲われあっけなく全滅してしまいました。
終戦後、敷島は空襲で焼け野原となった東京の自宅に戻るのですが、両親の姿はそこにありませんでした。
失意に暮れる中、敷島は闇市で大石典子(浜辺美波)と典子が空襲の際に他人から預かった赤ちゃんの明子に偶然出会います。
そして身寄りのない者同士助け合うように、一緒に生活を送るようになりました。
その頃、アメリカ軍は太平洋のビキニ環礁で「クロスロード作戦」と呼ばれる核実験を実施していました。
核爆発によりあのゴジラは被爆し、細胞内エラーの発生で巨大化してしまったのです。
承:銀座にゴジラが襲来!典子が行方不明に
敷島は機雷撤去の仕事を見つけ、信頼できる仕事仲間たちと出会います。
東京の街が少しずつ復興していく中、典子も銀座で事務の仕事を始めることになりました。
全てを失い戦争のトラウマに苦しむ敷島でしたが、新しい家族や仲間に囲まれて少しずつ希望を取り戻して行く様子が丁寧に描かれています
平和な日々が続いたある日、突如サイレンが鳴り響き「東京湾からゴジラが銀座方面に向かっている」というニュースがラジオから流れたのです。
敷島はすぐに銀座へ向かい、逃げ惑う人々の中から奇跡的に典子を発見しました。
しかしゴジラの発した熱線により、敷島の眼の前で典子が爆風に吹き飛ばされ行方不明になってしまうのです。
転:絶望した敷島・男たちが打倒ゴジラに立ち上がる!
典子が見つからないまま葬儀が行われ、絶望の淵に突き落とされる敷島。
式の後に仕事仲間の野田健治(吉岡秀隆)から、ゴジラ討伐の作戦に参加しないかと誘われます。
野田はゴジラ掃討作戦「海神(わだつみ)作戦」を提案。
その内容は大量のフロンガスの泡と大きな浮き袋を使い、ゴジラを急激に深海に沈めたり海面に引き上げたりすることによって、水圧の力でゴジラに攻撃を与えるという前代未聞の作戦でした。
戦時中のように、爆弾などの兵器を使って攻撃するのではなく、物理の力を使ってゴジラに攻撃を与えるというアイディアにびっくり!
敗戦後の日本には軍隊はなく、またGHQ主導による軍事行動はソ連軍を刺激する恐れが高いということで、民間の力だけで立ち向かわなければならないという絶望的な状況でした。
しかし、駆逐艦「雪風」の元艦長の堀田辰雄(田中美央)がリーダーとなり、元海軍兵たちを中心に大戦を生き延びた男たちが、日本の未来のために命がけの任務に志願しました。
野田と敷島は、万が一ゴジラが海ではなく陸に向かってしまった場合に備え、終戦の混乱で残されていた戦闘機「震電」でゴジラを海に誘導するというバックアップの計画を立てていました。
大戸島で生き残った整備兵の橘に機体の整備を依頼しましたが、部下を見殺しにされた恨みから依頼を断られてしまいます。
しかし敷島はゴジラを誘導するだけでなく、戦闘機に爆弾を載せゴジラに特攻するつもりだと明かし、橘は敷島の真剣な思いに答え整備を引き受けるのです。
こうして、日本の存亡をかけた作戦の準備は着々と進められていきました。
結:海神作戦(わだつみさくせん)決行!ゴジラは沈黙したのか…
決戦当日、予想よりも早くゴジラが現われ海から上陸してしまい、早くも作戦失敗かと思われました。
しかし、「震電」に乗った敷島が無事にゴジラを再び海に誘導。
駆逐艦も出動し、ゴジラにフロンガスのボンベと浮き袋を取り付け、作戦通りゴジラを深海に沈めることに成功しました。
ここまでなんとか計画通り。でもまだゴジラに致命傷を与えるところまでは至っていない様子
多くの漁船の力も借りて、海面にゴジラを引き上げるという次の作戦段階に移ったのですが、ゴジラに浮き袋が破壊されてしまったのです。
万策尽きたかと思われたところに、「震電」に乗った敷島が雲の間から現われ、ゴジラの口の中に特攻。
急所を攻撃されたゴジラは、青い光線と煙を放ちながら崩れるように海の底に沈んでいきました。
敷島は特攻により死んでしまったかと思われましたが、橘が戦闘機に脱出装置を付けていたおかげで、突撃直前に無事に脱出していたのです。
作戦に参加した男たちは、海に沈んでいくゴジラに向かって鎮魂の意を表すかのように、順々に敬礼するのでした。
仲間たちと作戦成功を祝う敷島に、隣人の太田澄子(安藤サクラ)から典子が病院に入院していることを知らせる電報が手渡されました。
明子と共に大急ぎで病院に向かうと、病室には頭と腕に包帯を巻いた典子の姿がありました。
再会を喜び、泣きながら抱き合う敷島と典子でしたが、典子の首には“謎の黒いアザ”が残されていたのです。
そして、深海に沈み沈黙したと思われていたゴジラは、海中で自身の身体を膨張させるような不穏な動きを見せるのでした…。
なんだか嫌な予感しかないラストシーン。これは続編あるでしょう?!
【ゴジラ-1.0】実際に鑑賞した感想と評価(ネタバレあり)
次に、「ゴジラ-1.0」を実際に鑑賞した際の感想と評価です!
ストーリー展開
第二次世界大戦直後の日本を舞台に、生き残った日本人が力を合わせてゴジラと対峙する、という非常にわかりやすいストーリーです。
過去の『ゴジラ』シリーズの作品を全く見たことがない方でも、十分に楽しめる作品となっています。
- 敷島が銀座の街中で典子を見つけだすシーン
- 海神作戦に参加させてもらえなかった水島四郎(山田裕貴)が多数の船を引き連れて突然現れ、あっという間に駆逐艦と連帯を組んでゴジラを引き上げるシーン
など、ツッコミどころもありました…。
全体的なバランスとしては”御愛嬌”というレベルでした。
映像・特殊効果
本作は、第96回アカデミー賞の”視覚効果賞”を見事受賞しました!
視覚効果賞にノミネートされた他の作品の制作費は数百億円もする中、「ゴジラ-1.0」の製作費は約15〜20億円程度だと言われています。
しかし映像のクオリティや特殊効果の技術はハリウッドの大作映画と全く遜色ない、非常に完成度の高い作品となっています。
普段ハリウッド映画に見慣れている私も、まったく違和感なく大迫力の映像を楽しむことができ、ハリウッド映画的な規模感で、鮮やかに戦後の東京の街が描かれていることにも大感動でした!
もともと山崎監督は、『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』に憧れて、特殊技術を得意とする映像制作プロダクション「白組」入社したVFX畑の出身です。
アカデミー賞で他でもなく「視覚効果賞」を受賞したのは、何より嬉しかったのではないかと思います。
山崎監督がアメリカの大手のエージェンシーと契約したと報道されているので、次回作はハリウッドで?という噂もあり、どんな新作が発表されるか今から楽しみです!
アカデミー受賞式で憧れのスピルバーグ監督と写真を撮り、非常に嬉しそうな山崎監督の姿にほっこりしました
主役のゴジラについては、獰猛な表情や、棘のような背びれを順々に青く光らせ熱線を発する様子、容赦なく人間を襲ってくる動きなど、歴代のゴジラに負けず劣らず恐ろしい”最凶ゴジラ像”が描かれているのではないでしょうか。
ゴジラファンの間でも、今回のゴジラはとても良い評価を受けているようです!
歴代ゴジラは、核・戦争・自然災害などのメタファーとされていましたが、今回のゴジラは何を表していたと思いますか?
人間ドラマ
本作のネット上の感想を見てみると、物語の前半の人間ドラマを描いたパートについて賛否が分かれているようです。
もし今作が、直球の“ヒューマンドラマ映画”だとしたら、各キャラクターの掘り下げ方が甘いとか俳優の演技がいまいち、という評価になるかもしれません。
しかし、あくまで本作は後半の怪獣パートがメインの「ゴジラ映画」です。
更に、これまでのゴジラシリーズ作品と比較すると、むしろ今作は人間ドラマパートがより丁寧に描かれているという評価もあるそうです。
幅広い観客層に向けて作られた娯楽作品でもあるので、わかりやすい展開と誰もが感動できるストーリー、というのは欠かせない要素だったのだと思います。
山崎作品全般、同じような指摘がされているようなので、この辺りは個人の好みということかもしれませんね
国内での興行収入は70億円超え、全世界興行収入は140億円を突破したと報道されているなど、世界中で大絶賛されている作品なので、人間ドラマのパートも含めて多くの人の心を掴んでいるということでしょう。
再鑑賞
毎年8月にテレビで再放送して、何度でも観たい!そんな作品です
公開後の大ヒットを受けて、モノクロ版の『ゴジラ-1.0/C(マイナスカラー)』も劇場公開され、通常版で「ロス」になった多くの人が、モノクロ版も観に劇場に足を運んだそうです。
白黒だけで描かれる世界というのが、時代背景的にもリアリティのある演出となっているようですので、モノクロ版も絶対観たいです!
まだ本作を見たことがない方には、「日本人なら、1度は見てもらいたい作品です」と声を大にして伝えたいです。
【ゴジラ-1.0】ネタバレレビュー!印象に残ったシーン・場面3選
次に、「ゴジラ-1.0」の中で特に印象に残ったシーンを3つご紹介します。
①オープニングの零戦が不時着するシーンで思い出した“あの作品”
本編開始直後に「あぁ、これは!!」と、山崎監督が2013年に監督した特攻隊がテーマの映画「永遠の0」とのつながりを感じざるを得ませんでした。
※以下『永遠の0』のネタバレあり
「永遠の0」の主人公・宮部久蔵は、「家族のために生きて帰る」という気持ちを持ち続けた特攻隊員でした。
しかし特攻直前にエンジントラブルのある機体を同僚の大石に譲り、自分は特攻で死亡したけれど、生き残った大石に家族のことを託した、という結末でした。
生きて帰ることを諦めなかった敷島の姿と、生き残った大石もしくは、特攻に向かわなかった場合の宮部の姿が重なりました。
また本作では描かれていない、敷島が特攻に至るまでの経緯や苦悩は、「永遠の0」で描かれた宮部の体験と重なるのだろうとも想像できました。
「永遠の0」も、徐々に人々の記憶から失われつつある戦争の現実を描いた名作なので、未見の方は是非ご覧くださいね
②海神(わだつみ)作戦に挑む男たちに胸アツ!
荒唐無稽な作戦には参加できないと去っていく者がいる中、「誰かがやらなきゃ仕方ない!」「一丁やるか!」と多くの元海軍兵たちが立ち上がり、死にものぐるいで作戦を決行する姿に胸が熱くなりました。
当然彼らは皆、それぞれの事情で戦争から生き残った人々で、敷島と同様に心のどこかに「まだ終わってない戦争」を抱えていたのでしょう。
余談ですが本作では、近年ハリウッド映画で顕著な余計なポリコレ要素は皆無で、ストレートに男たちが日本を守る!という展開が清々しかったです!
ちなみに、決死の戦いに挑む男たちと一緒に戦った戦闘機「震電」、重巡洋艦「高雄」、駆逐艦「雪風」「響」「夕風」「欅」、四式中戦車などの実際に存在した兵器が登場!
歴史マニアやミリオタ勢にとって感無量だったそうです!
まったくミリタリー系の知識がない私でも、駆逐艦などの荘厳な姿には思わず感動!それぞれの艦体の歴史なども調べてしまいました
③生きて、抗った敷島の姿に号泣
作戦中、敷島は典子を失ってしまったと信じていました。
なので、ゴジラに特攻する直前に見せた決意の表情から、「特攻で死んでしまうけれど、これで敷島なりのケリがつくのだろう」と私は悲しくもその決断について納得しました。
しかし、敷島が落下傘で脱出した姿を見て、そしてその後すぐに典子と再会した姿を見て、この映画のキャッチコピー「生きて、抗え」を体現してくれてありがとう、と涙が止まりませんでした。
海神(わだつみ)作戦は民間主導の作戦なので、「一人の犠牲も出さない、未来を生きるための戦い」と野田が話していたことにも繋がるラストの展開となりましたね
【ゴジラ-1.0】ネタバレレビュー!印象に残ったキャスト
最後に「ゴジラ-1.0」に登場するなかで、特に印象深かったキャストについてご紹介します!
「ゴジラ-1.0」をこれから鑑賞する方は、ぜひ注目して見てくださいね。
太田澄子(おおたすみこ)役:安藤サクラ
「怪物」や「万引き家族」など多くの映画に出演し、演技派女優として評価の高い安藤サクラさん。
今作でも、特攻に行ったはずが生きて帰ってきた敷島に「この、恥知らず!」と罵倒するシーンで強烈な印象を残しました。
全体的に登場シーンは少ないものの、戦争に対する怒りや自分の子供を失った悲しみを乗り越えて、次第に良心を取り戻していくという、多面的なキャラクターを見事に演じていました。
堀田辰雄(ほったたつお)役:田中美央
海神(わだつみ)作戦の指揮を執った堀田は、まさに理想のリーダーといった渋い”イケおじ”なキャラクターで、すっかり田中美央さんのファンになってしまいました!
堀田が作戦中に発した「海神(わだつみ)作戦を開始する!」や「衝撃に備えよ!」やなど、記憶に残る名台詞も残してくれました。
大石典子(おおいしのりこ)役:浜辺美波
鑑賞前にキャストを見た時には、東宝所属の女優さんだからかなという程度に思っていましたが、典子役にふさわしい本当に素晴らしい女優さんでした。
特に、典子が電車の中から初めてゴジラを目撃した時の戦慄の表情や、戦争のトラウマで混乱する敷島をに寄り添いながら「生きてるよ、浩さんは生きてる!」と力強く励ますシーンが印象的です。
巷では「昭和顔」と言われているなど、どことなく古風な雰囲気のある正統派の美人さんですね。
続編があったら絶対に続投してもらいたいですが、首のアザが何だったかのかと考えると、次回作では大変な役どころになるかもしれません…。
今後は時代劇とか大河ドラマなどのジャンルでも活躍を期待したいです!
★「ゴジラ-1.0」考察!典子は最後生きていた!?首のあざの意味は…
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【ゴジラ-1.0 】世界に評価される”ゴジラ”はやっぱり凄かった!
今作のタイトルの「マイナス0」とは、「戦後、無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラが、この国を負(マイナス)に叩き落とす」という意味でつけられたそうです。
焼け野原になってまさにゼロになったところから、驚異的な経済発展を遂げた日本。
それを支えた私達の親・祖父母世代に感謝せずにはいられません。
鑑賞後に改めて祖先に感謝する気持ちになった私は、「今作はもしかしたら日本人にしか評価されない作品なのでは?」と思っていました。
それなので、東宝が日本映画の威信をかけて制作した渾身の作品が、結果的に世界中で大絶賛されたことに感動しましたし、日本映画の底力を見た気がします。
「日本も捨てたもんじゃない」「日本人で良かった」と思える今作、現在Amazonプライムで配信しているので是非ご覧ください!
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