大今良時原作の映画「聲の形」は、京都アニメーションが制作した名作映画です。
「いじめをした側とされた側がメインキャラクターなんて、どういう話？」「ヒロインは耳が聞こえないってことはいわゆるそういう系？」
そんな疑問が湧き上がってくるかと思いますが、「聲の形」はよくあるいじめや障がい者差別がテーマの作品ではありません。
また、なぜ「声」ではなく「聲」なのか、そんな疑問についても解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね！
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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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| 公開日 | 2016年9月17日 |
|---|---|
| 監督 | 山田尚子 |
| 原作 | 『聲の形』大今良時 |
| 脚本 | 吉田玲子 |
| キャスト | 入野自由 早見沙織 悠木碧 小野賢章 金子有希 石川由依 潘めぐみ |
| 音楽 | 牛尾憲輔 |
| 上映時間 | 2時間9分 |
| 配給 | 松竹 |
| 公式サイト | 「聲の形」公式サイト |
| 上映劇場 | 「聲の形」上映劇場 |
【聲の形】のネタバレ！映画のあらすじ（ラスト・結末まで）
早速「聲の形」のあらすじをネタバレありでご紹介します。
映画をまだみていない方は、結末を含む内容にご注意ください。
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起：転校生は耳の聞こえない少女
石田将也の通う6年2組に転校生がやってきます。
名前は西宮硝子といって彼女は耳が聞こえません。
初めは西宮に寄り添い、手助けしていたクラスメイトたち。
しかし、結局西宮は馴染めずいじめの標的になってしまいます。
西宮の補聴器が5か月で8個も紛失、もしくは破壊されていることに、硝子の母親は娘がいじめられているのではと学校に相談します。
そこで学級会議が開かれ、石田が罪を一身に背負う羽目に。
今度はいじめの標的が石田に代わってゆくのです。
承：石田と西宮の再会
西宮の件やいじめられた経験から、心を閉ざすようになってしまう石田。
高校では誰とも話さずに生活している石田は、ある日西宮を訪ねます。
西宮と石田が再会したことから、当時の6年2組のメンバーとも徐々に再会を果たしていきます。
わだかまりを抱えたまま、それぞれの人生が再び交錯していくのです。
転：西宮が自殺！？
硝子と妹の結絃、そして二人の母親と石田で花火大会に行くことに。
勉強を理由に花火大会を途中で抜け出した西宮。
結絃に頼まれカメラを取りに西宮家へ向かった石田は、ベランダから飛び降りようとしている西宮を見つけます。
慌てて助ける石田。
しかし、もう一歩で西宮が助かるというところで、逆に石田がベランダから落ちてしまいます。
結：文化祭に参加
一命はとりとめたものの、意識が戻らない石田。
梢子の母と結絃は、将也の母に土下座して謝ります。
一方西宮は、あんたのせいだと植野に責められます。
その後西宮は「自分が壊したものを取り戻したい」と覚悟を決め、6年2組のもとへ駆け回ります。
そして石田は夢の中で西宮を感じ、意識を取り戻します。
無事にみんなで文化祭に参加し、石田は見れなかった周りの人たちの顔を見ることができるようになるのです。
【聲の形】ネタバレ解説：なぜ”聲”なのか＆原作漫画の情報も
次に、映画「聲の形」のネタバレになる部分を解説します。
作品のタイトルにはなぜ「声」ではなく「聲」という漢字を使っているのでしょうか？
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「聲の形」映画ラスト・結末の解説
映画は石田たちが仲直りし、石田が学校の人間の顔を見られるようになるというハッピーエンドで終わります。
これからに希望も持てる終わり方です。
しかし、いじめがあったことは変わらないですし、わだかまりがすっかり消えてなくなるということはないでしょう。
それでも今を懸命に生きる彼らに、つたない眩しさを感じます。
「聲の形」の漢字はなぜ”聲”なのか？
辞書で調べると、「声」と「聲」では意味の違いはありません。
ではなぜ「聲」なのか。
「聲」という字には3つの字が含まれています。それは「声」と「殳」と「耳」です。「殳」にはからだ、手などといった意味があります。
このことから、「聲」には、喉から出す声だけでなく、手や耳を使って会話をする、心を通い合わせる、体で意思表示をするといった意味が含まれるのかもしれません。
そのため、声だけでなく手、つまり手話でも話すことが描かれている本作のタイトルには「聲」という字を使ったのではないでしょうか。
「聲の形」のテーマ・伝えたいことは？
友情、いじめ、障がい者差別など複数のテーマがあるかと思いますが、個人的に一番しっくりくる本作のテーマは「人間の弱さと醜さ」だと思います。
「聲の形」は、人間の嫌な部分がすごく丁寧に描かれている作品といえるでしょう。
人間は弱く醜い。
その弱さや醜さを隠しながら、でも上手く隠し切れずに露呈してしまいながら生きていく、そんな様子がキャラクターたちの中に見えました。
ナギセはっきり言って、登場人物たちをここまで好きになれない映画もなかなか無いなと思います(笑)
どんなに若くても幼くても、人間は人間なんですよね。
「聲の形」原作漫画の情報
映画「聲の形」は大今良時の同名漫画が原作で、原作は全7巻で完結しています。
作者の大今良時先生は、「マルドゥック・スクランブル」の作者でもあります。
【聲の形】印象に残ったキャラ3選（ネタバレあり）
映画「聲の形」で私が印象に残ったキャラクターは以下の通りです。
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①植野直花/金子有希
作品の中で一番動きのあるキャラクターかなと思います。
色々引っかきまわすタイプというか。
作中で最も自分の意見をストレートに発言するキャラクターです。
西宮に対してもそれは変わらずで、一番西宮を対等に見ている気がします。
とはいえ、性格はきついので、優しいんだかどうなんだか、という感じ(笑)
根っこはそこまで腐っていないのでしょうが、クラスに一人はいそうなボスタイプなので彼女を見て苦い思いをする人もいるかもしれません。
②川井みき/潘めぐみ
個人的に一番好きではないキャラクターです。(笑)
自分は間違ったことをしていない、西宮にもやさしくしていたし直接酷いことはしていない、とずっと思っている人物。
こういう人間がいるからいじめは広がりやすく、かつなくなりにくいんのではないでしょうか…？
ナギセ私は川井と真柴のことを偽善者コンビと呼んでいます(笑)
③西宮結絃/悠木碧
最後は一番好きなキャラクターを！
姉のために必死な結絃を見ていると、なんて健気な子なんだろう、と思います。
実はとても繊細な性格なんだと思います。だからこそ、
学校にもなかなか行けない。
また、石田に徐々になついていくところがかわいい！
一番今後が気になるキャラクターです。
【聲の形】印象に残ったシーン・場面3選（ネタバレあり）
映画「聲の形」で私が印象に残ったシーン・場面は以下の通りです。
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①自殺しようとした石田に泣きながら怒る母
「なんで死のうとしたの？」の母親のセリフに石田は「あ、バレてたのか」と感じ色々あるんだと返します。
実は母は鎌をかけていただけで、石田のセリフで自殺未遂を確信。
泣きながら「死ぬのをやめないと返してくれたお金を燃やす」と言い出すのです。
慌てて自殺をやめると言った石田。
母は安堵するも結局お金に火がついてしまい、石田が返したお金は燃えてしまいます。
母の愛が伝わるシーンの一つ。
キャラクターの動きと声優さんの声の演技が素晴らしく、印象的なシーンです。
②西宮の自殺未遂
西宮の自殺未遂シーンも、とても印象的です。
花火大会の日なので花火が美しく夜空を飾っていて、悲しいシーンなのにとても美しいんですよね。
一瞬がとても長く感じるような演出もされているので、リアルだけど幻想的という不思議な感覚がします。
③西宮とその母に激しくキレる植野
西宮を助けるためにベランダから落ちて意識不明の状態の石田。
そんな石田を看病している植野が西宮に「お前のせいだ。死んでお詫びなんて思い上がりもいいとこだ」とかなり激しく怒ります。
また、その後に現れる西宮の母親にも「面倒見れないならガキなんか産むんじゃねえ」とつかみかかる植野。
きついながらも的を射た植野のセリフとその演技。
画面もしっかり揺れる動きのある映像。
視覚と聴覚を刺激し、心にグサグサ刺さるシーンです。
【聲の形】を実際に鑑賞した感想と評価（ネタバレあり）
ストーリー展開
ストーリー展開はそこまで難しくはありません。
しかし、場面の急な切り替わりや時系列などアニメを見慣れていない人には少々わかりにくい部分もあるように感じました。
結末への評価
ハッピーエンドではあるのですが、それぞれのキャラクターの心の闇は深く、問題が完全に解決したわけではありません。
これから先大丈夫かな？と親のような気持ちでハラハラしてしまいます(笑)
再鑑賞
素晴らしい作品なのですが、何度も見たい！というような作品ではありません。
1回観ればじゅうぶんとまでは言いませんが、内容が内容なので気軽に再鑑賞できないように思います。
1回観たらある程度時間を置き、心に余裕のある時に見たい作品です。
【聲の形】ネタバレ＆映画あらすじのまとめ
本記事では、映画「聲の形」を紹介しました。
人間の弱さや醜さに焦点が当てられた作品で、深く心に刺さる名作です。
「聲の形」はU-NEXTにて440円でレンタル視聴が可能です。
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本記事を読んだ後でもじゅうぶんに楽しめるので、ぜひ映画「聲の形」を鑑賞してみてください！
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