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【オッペンハイマー】あらすじ解説&ネタバレ!後悔していた?時系列やスパイ疑惑についても

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【オッペンハイマー】あらすじ解説&ネタバレ!後悔していた?時系列やスパイ疑惑についても

2024年に満を持して日本で公開された映画「オッペンハイマー」のネタバレを含むあらすじや作品の魅力を紹介していきます。

時系列が複雑な作品なので、作品の理解の補助線になるように解説もしました。

世界的に大ヒットし、アカデミー賞の作品賞も受賞した「オッペンハイマー」の凄みに迫っていきます。

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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。

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【本予告】『オッペンハイマー』
公開日2024年3月29日
監督クリストファー・ノーラン
原作カイ・バード、マーティン・J・シャーウィン
「オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇」
脚本クリストファー・ノーラン
キャストJ・ロバート・オッペンハイマー:キリアン・マーフィー
キャサリン・“キティ”・オッペンハイマー:エミリー・ブラント
ルイス・ストローズ:ロバート・ダウニー・Jr.
レズリー・グローヴス:マット・デイモン
ジーン・タトロック:フローレンス・ピュー
音楽ルドウィグ・ゴランソン
上映時間180分
配給ビターズ・エンド
公式サイト「オッペンハイマー」公式サイト
上映劇場「オッペンハイマー」上映劇場
目次

【オッペンハイマー】のネタバレあらすじ(ラスト・結末まで)

映画「オッペンハイマー」のあらすじをラスト・結末までご紹介しています。

まずは、映画の順を追ってのあらすじです。

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起:マンハッタン計画の始動

ケンブリッジ大学に留学していたオッペンハイマーは優秀な人材でしたが実験を苦手としており、理論物理学の道に転向します。

やがて、オッペンハイマーは博士号を取得してアメリカに帰国し、理論物理学の浸透に努めていきました。

1936年にスペイン内戦が勃発していた頃、弟に誘われて共産党の集会に参加したオッペンハイマーはジーン・タトロックと出会い、親しい関係性になります。

また同時期にドイツで核分裂が発見され、オッペンハイマーは原子力爆弾を開発できるかもしれないと考えるようになりました。

そして第二次世界大戦が始まり、オッペンハイマーは、ドイツに先を越されないように立ち上げられた「マンハッタン計画」の責任者になるのでした。

承:トリニティ実験の進行

(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

1943年、オッペンハイマーは弟が牧場を営んでいるニューメキシコ州にロスアラモス国立研究所を設立し、所長に就任しました。

有力な科学者たちをスカウトしてチームを結成し、原爆開発を本格的に進めていきます。

しかし1945年5月にドイツが降伏したため、当初の計画の意向とは異なる状況になりましたが、日本に原爆を投下して戦争を終わらせるという方向に転換しました。

そして、7月16日にトリニティ実験を成功させたことで、原爆の威力を目の当たりにした科学者たちは歓喜に湧きます。

8月に原爆が広島に投下されたことを知ったオッペンハイマーは、原爆の被災者たちの幻覚を見るようになり、自身の行いについて苦しい葛藤が始まるのでした。

転:ストロールズの暗躍

(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

原爆の父と世間から賞賛される一方、オッペンハイマーは困惑を隠せませんでした。

オッペンハイマーは水爆開発について大統領と面談した際に自分の罪悪感を告白しますが、「恨まれるのは原爆投下を決定した私だ」と一蹴されてしまいます。

また、水爆推進派や科学者たちと対立していたオッペンハイマーは、少しずつ立場が危うくなっていたのでした。

過去にオッペンハイマーからバカにされ、恨みを持っていたルイス・ストロールズは、オッペンハイマーにソ連のスパイ疑惑をかけるように暗躍します。

そして、1954年にオッペンハイマーのスパイ疑惑について、聴聞会が開かれるのでした。

結:オッペンハイマーの名誉回復

(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

聴聞会は過去の共産党員との関係から水爆の反対まで、オッペンハイマーの過去の行いを追及していきます。

オッペンハイマーは妻のキティと一緒に執拗な追及に対抗していきますが、政府からは危険人物と見なされて、立場はさらに厳しくなるのでした。

1959年、政府の商務長官としてストロールズが相応しい存在か協議するための公聴会が始まります。

ところが、科学者ヒルの証言で、オッペンハイマーを陥れようとしたことが明るみになり、ストロールズは商務長官の座に就けずに終わります。

そして、1963年に大統領から長年の貢献に対して、フェルミ賞を贈られて名誉を回復するのでした。

【オッペンハイマー】ネタバレ解説①:ラスト・結末や時系列について

「オッペンハイマー」の複雑な時系列について、解説しました。

難解な作品なので、後悔したくない方はこちらで予備知識を、蓄えてみてください!

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「オッペンハイマー」ラスト・結末の解説

オッペンハイマーは原子力爆弾のトリニティ実験に成功し、地位と名声を得ますが、広島への原爆投下の被害を知り、後悔の念に陥ります。

以前に軽口を叩いて恨まれていたルイス・ストロールズから赤狩りのスパイ疑惑をかけられ、オッペンハイマーの人生は転落しそうになりました。

だいち

正直、ここは事前知識がないとかなり難しいです。

オッペンハイマーへのスパイ疑惑は、貴重な証言により覆されて無事に名誉を回復させるのでした。

本来なら一件落着でエンドロールに入りそうな展開ですが、時系列は、原爆投下から2年後のシーンへ移ります。

序盤では伏せられていたアインシュタインとの会話が明らかにされ、オッペンハイマーが「我は死神なり、世界の破壊者なり」と呟いて映画は終わります。

だいち

開発当時から、葛藤があったことをさらに強調するラストですね。

実際に起こった出来事を描く際に、映画の冒頭には「この物語は事実に基づく」というテロップが映されることが多いです。

しかし、「オッペンハイマー」は、かなり史実に基づいているにも関わらず、テロップを出していません。

飽くまで、オッペンハイマーの視点に基づいた物語ということを、意味しているのかなと思いました。

だいち

複雑な作品なので、観た人だけ解釈があるタイプの映画ですね!

「オッペンハイマー」3つの時間軸・時系列

「オッペンハイマー」には、大きく分けて3つの時間軸があります。

  • オッペンハイマーの大学時代〜核実験、原爆投下、冷戦開始まで
  • オッペンハイマーの聴聞会
  • マッカーシー議員による赤狩り、公聴会

事前に情報を入れずに鑑賞するとほぼ間違いなく混乱するくらいに、時系列は複雑です。

一般的には、モノクロの映像が過去の時間軸となりそうですが、今作ではそうではありません。

だいち

正直、この手の話でここまで複雑にしないといけないのか?とは思います(笑)

初見の場合は俳優の顔のアップが多い映画なので、髪型や顔のしわでそれぞれのパートで時間軸が異なることを、まず認識することが大事かもしれません。

3つの時間軸に分かれていることと、それぞれのパートでも物語が進行していることと、各パートごとの目的を一度認識すると、「オッペンハイマー」が観やすくなると思います。

「オッペンハイマー」カラー映像の視点と時系列

「オッペンハイマー」は時系列と時間軸が複雑な作品ですが、時間軸ごとの規則性を頭に入れておけば理解がしやすくなります。

カラーの映像はオッペンハイマーの視点で、大学時代から原爆の開発の成功から投下までがひとつの流れとして成り立っています。

だいち

このあたりは、中盤までの目玉の流れなので、話は追いやすいはず!

さらに展開されるオッペンハイマーの視点は、原爆投下から9年が経過した、ソ連のスパイの疑惑をかけられたことに対する聴聞会です。

オッペンハイマーの顔を見ると年齢を重ねたことが分かりますが、目的が見えづらく、現実の出来事か判別がしづらい抽象的なシーンが増えるので、混乱する人が多いと思います。

だいち

聴聞会の目的が明確に説明されていないので、予習していたら安心です!

カラーの映像で展開されるシーンの時間軸と目的を把握しているだけで物語が飲み込みやすくなるので、不安な方はぜひ参考にしてください!

「オッペンハイマー」モノクロ映像の視点と時系列

モノクロパートは、「オッペンハイマー」のもう1人のキーパーソンである、ストロールズの視点で描かれます。

原爆に対する考え方の対立やオッペンハイマーの尊大な態度により、名誉を傷つけられたストロールズが暗躍して、オッペンハイマーに赤狩りの疑惑を押し付けるという流れです。

だいち

ストロールズは、かなり明確な悪役として描かれますね。

モノクロパートは過去の時間軸を語るときに用いられることが多いので、少しトリッキーな使い方と言えるでしょう。

また、ストロールズへの公聴会も描かれていくので、情報を入れずに鑑賞すると混乱しやすい部分かもしれません。

だいち

オッペンハイマーへの聴聞会は1954年で、ストロールズへの公聴会は1959年です。

「オッペンハイマー」で描かれるのは裁判ではなく公聴会と聴聞会なのも、混乱を招きそうなポイントです。

公聴会は、「新たに決めごとをする際に、関係各所から意見を募ること」、聴聞会は、「行政が受ける処分に対して意見を交わすこと」といったところでしょうか。

だいち

膨大な情報量と長いスパンの物語が、高速なテンポで展開されていきます!

【オッペンハイマー】ネタバレ解説②:人物像やスパイ疑惑について

「オッペンハイマー」の主人公である、ロバート・オッペンハイマーについて解説しています。

多大なる功績を収めた科学者でありながら、複雑な内面を抱えた人物です。

鑑賞前の参考にぜひご覧ください。

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ロバート・オッペンハイマーとは?

「オッペンハイマー」の主人公である、ロバート・オッペンハイマーは、理論物理学のあらゆる領域にて功績を挙げた学者で、「原爆の父」とも呼ばれています。

作中でも描かれるロスアラモス国立研究所の初代所長で、原子爆弾の開発に取り組んでいました。

だいち

映画を観る分には、原爆の開発に関わったとだけ知っていれば問題ないです!

原爆の投下が行われて以降は、さらなる核兵器の開発に反対し、水爆の開発も疑問視していました。

ソ連のスパイ疑惑をかけられ立場が危うくなりますが、疑いは晴らされています。

映画では、なぜオッペンハイマーが原爆を開発したのか原爆を投下以降のオッペンハイマーの苦悩について描かれています。

だいち

オッペンハイマーの考えでは、ナチスへの抑止力として核爆弾を開発していましたね。

オッペンハイマーは後悔していた?

オッペンハイマーは、原爆の開発についてかなり悔やんでいたと作中では描かれていました。

原爆の投下後、オッペンハイマーは被爆者たちの幻影を見るようになります。

だいち

かなり禍々しい幻視描写が続いていきます。

トルーマン大統領に原爆の開発の成功を報告する際にも、少し後悔の念を匂わせていました。

ところが、呆気なく大統領に投下するのは自分の責任だから、考えても仕方ないことだと、オッペンハイマーの自責の念を一蹴されてしまうのでした。

だいち

京都は旅行で行ったことがあるから投下をやめておくという、気まぐれな基準が恐ろしかった…。

オッペンハイマーの苦悩とは裏腹に「原爆の父」として世間から喝采を浴びたことも戸惑い生じさせ、自分の行いに対する葛藤が加速していきます。

だいち

個人的には、地鳴りのように響く大衆からの足踏みの音が怖かったです…。

オッペンハイマーはソ連のスパイだった?

作中の時間軸の後半にあたるシーンでは、オッペンハイマーにソ連のスパイ疑惑がかけられてしまいます。

オッペンハイマーに恨みがあるストロールズの策略もありますが、過去に共産党員と密接なつながりを持っていたこととが挙げられます。

だいち

フローレンス・ピューが演じる、ジーン・タトロックと関係を持ったことですね。

作中ではオッペンハイマーに対する聴聞会が開かれますが、これがソ連のスパイ疑惑に対するものでした。

聴聞会のシーンで描かれる妻のキティの幻視シーンが、オッペンハイマーとジーンが関係を持つ様子であり、私的な事実確認により妻に屈辱を浴びせてしまいます。

だいち

あのシーンは、聴聞会の目的を知らないとポカンとしてしまうと思います(笑)

結局、オッペンハイマーのスパイ疑惑の疑いは晴らされますが、聴聞会のシーンを執拗に描くことで、オッペンハイマーの英雄譚ではないことを強調していると思いました。

【オッペンハイマー】印象に残ったキャスト3選(ネタバレあり)

オールスターキャストで、2人のアカデミー賞の受賞者を輩出した、「オッペンハイマー」のキャストについて紹介します。

重たい題材でありながら、「オッペンハイマー」は、名優たちの演技力が光るとても華やかな映画でもあります。

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①ロバート・オッペンハイマー/キリアン・マーフィー

(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

本作の主人公である、ロバート・オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーを紹介せずにはいられません。

クリストファー・ノーラン監督作品の常連の俳優で、「バットマンシリーズ」や「インセプション」、「ダンケルク」などに出演しています。

「オッペンハイマー」で、ついにキリアン・マーフィーが、ノーラン作品の主演に抜擢されるというニュースが報じられたときには、大いに盛り上がりました。

だいち

渋い俳優なので、ここで主演かという意外性もありました!

「オッペンハイマー」では、ロバート・オッペンハイマーの科学者として偉大な功績を抱えながらも、原爆の開発によって苦悩する複雑な内面を演じています。

オッペンハイマーの顔のアップが多く、シーン毎に繊細な表情の演じ分けをしており、観客や映画関係者を惹きつけて、見事に初めてのアカデミー賞の主演男優賞に選ばれました

だいち

3時間、キリアン・マーフィーの顔で引っ張る映画でもあります!

②ルイス・ストロールズ/ロバート・ダウニー・Jr.

(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

ルイス・ストロールズは、公衆の面前で失礼な言動によって恥をかかされたオッペンハイマーへの腹いせに、スパイ疑惑を企てる醜悪な人物です。

近年稀に見る明確な悪役として描写されており、オッペンハイマーだけでなく、観客の神経も逆撫でするような存在でした。

だいち

ストロールズの視点があることによって映画が複雑になるのも、腹が立ってきますね(笑)

ストロールズを演じたのは、「アイアンマン」で失墜しかけていたキャリアを大復活させた、ロバート・ダウニー・Jr.です。

若き日に出演した「チャップリン」の演技が高く評価されましたが、アルコール中毒に悩まされ2000年代後半までは、出演作が減少していました。

「アイアンマン」に、オーディションを経て主演が決まり、失敗を経た傲慢な男というキャラクターがハマり役となり、スター俳優返り咲きました。

だいち

アイ・アム・アイアンマンは、RDJのアドリブなんですね…。

「オッペンハイマー」では潔く悪役演技に徹して、意外にも初めてとなるアカデミー賞の助演男優賞に輝きました。

③キャサリン・“キティ”・オッペンハイマー/エミリー・ブラント

(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

キャサリン・“キティ”・オッペンハイマーは、オッペンハイマーの妻にあたる人物です。

女性遊びが激しいオッペンハイマーに対する憤りや子育てへの不安によって、アルコール依存症になりますが、生涯に渡ってオッペンハイマーを支えました。

だいち

想像よりキャサリンの存在感が大きかったです!

キャサリンを演じたのは、「クワイエット・プレイス」や「メリー・ポピンズ リターンズ」などで知られるエミリー・ブラントです。

「プラダを着た悪魔」でブレイクを果たして以降、映画を中心に大ヒット作へ出演してきました。

だいち

現在公開中の「フォールガイ」にも出演しています!

キャサリンは強さと弱さをともに備える複雑なキャラクターでしたが、エミリー・ブランドが実在感ある演技で体現してみせました。

意外にも初めてとなる、アカデミー賞の助演女優賞にノミネートを果たしています。

だいち

終盤の握手を拒否する場面が痺れますね。

【オッペンハイマー】印象に残ったシーン・場面3選(ネタバレあり)

「オッペンハイマー」で印象に残ったシーンは以下の通りです。

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①オッペンハイマーの危うい学生時代

「オッペンハイマー」は、かなり長いスパンの物語が描かれる作品です。

冒頭ではオッペンハイマーの学生時代が描かれますが、かなり危険な匂いを感じる人物だったことに驚かされました。

だいち

ちょっと混乱しそうになりました。

オッペンハイマーは、ソリが合わない教授が持っていたリンゴに毒を注入していたのです。

実際には真偽が不明というエピソードらしいですが、禁断の果実と言われるリンゴと「オッペンハイマー」で開発される原爆を比喩したものだと思いました。

だいち

ところどころ、「オッペンハイマー」は象徴的なシーンが描かれます。

冒頭からいきなりショッキングなシーンから始まることと、「オッペンハイマー」のテーマ全体を象徴していることから印象に残りました。

②トリニティ実験

中盤の大きな目玉となるトリニティ実験に至るまでのシーンは、とてつもない迫力がありました。

ロスアラモス国立研究所の初代所長に任命されたオッペンハイマーは、精鋭のチームと原爆の開発に取り組んでいきます。

チームが発足されていく過程や原爆の開発の過程が、リズミカルかつダイナミックに描かれていくので思わず興奮してしまいそうになります。

だいち

映像と音楽による盛り上げ方が、上手いシーンです!

トリニティ実験当日を迎えて、大轟音と大迫力の映像によって実験の成功が示されます。

歓喜に湧く科学者一向とは裏腹に、オッペンハイマーの胸中はどんどん複雑になっていきます。

だいち

観衆の地鳴りがする足踏みは怖かった…。

歴史的にも映像的にもクライマックスと言えるシーンから一転して、オッペンハイマーの胸中に迫っていく作りに惹きこまれてしまいました。

③ドラッギーな聴聞会

ストロールズの策略でソ連のスパイ疑惑をかけられたオッペンハイマーは、聴聞会に出席します。

通常だったら地味な会話が中心になりそうなシーンですが、かなり凝った演出をされていて驚かされました

だいち

リズムと情報量で叩き込む、ノーラン流法廷劇!

聴聞会では、オッペンハイマーの過去の出来事が追及されていく形式です。

オッペンハイマーは、嫌でも原爆を開発した過去と向き合わされることになります。

原爆に被災したであろう人間がフラッシュバックしたり、オッペンハイマーとジーンが性的関係に至った様子が幻視によって現れたりと、かなり抽象的な描写が重ねられていました。

だいち

時系列シャッフルにより冒頭から聴聞会が始まるので、頭がクラクラします。

法廷劇のような体裁をとりながらもノーランらしい独特な主観描写を取り入れた、唯一無二のシーンだったと感じました。

【オッペンハイマー】を実際に鑑賞した感想と評価(ネタバレあり)

ストーリー展開
わかりにくい
わかりやすい
結末への評価
いまいち
素晴らしい
戦争映画として
いまいち
素晴らしい
再鑑賞
1回でOK
何度も見たい

ストーリー展開

時系列が複雑に配置されていたり説明が少ないにも関わらず、情報量がとても多い作品になるので、難解に感じるタイプのストーリーです。

人によっては置いていかれるかもしれませんが、なんだか分からないけど映像の迫力と会話劇の密度で乗せられてしまう作品でもあります。

だいち

置いていかれる感覚を楽しめるかどうかも、ポイントかも!

圧倒的な密度によって鑑賞後に頭が良くなった感覚を得られるのは、クリストファー・ノーラン監督の作品の魅力です。

鑑賞中の脳内が圧迫される感覚を味わいたいなら、事前情報を入れずに鑑賞して、物語をきちんと追いかけていきたい場合は、予習をおすすめします。

だいち

史実は知っている前提で進んでいきます。

また、オッペンハイマーに迫った伝記映画としては、とても説得力があるものだったと思います。

原爆の開発者の物語となると、少し及び腰になりそうですが、鑑賞して損はない作品なのは間違いありません。

結末への評価

基本的には史実に基づくストーリーなので、意外性ある結末を迎えるわけではありません

原爆の開発過程に加えてオッペンハイマーが辿った人生、オッペンハイマーとアインシュタインが交わした会話が物語のキーになっていました。

だいち

時間軸が3つに分かれているので、パートごとに結末があるとも言えるかもしれません。

原爆は投下されスパイ疑惑を晴らし名誉を回復するオッペンハイマーでしたが、ラストシーンは原爆の開発を悔やんで終わります。

オッペンハイマーの伝記映画として考えると、これ以外にない落としどころだったと思います。

だいち

オッペンハイマーの複雑な胸中を表現した、キリアン・マーフィーの顔で締められます。

難解なストーリーと膨大な情報量を過不足なく語り終えキレのいいエンディングを見せてくれるので、満足度が高いエンディングではないでしょうか。

戦争映画として

オッペンハイマーの視点から描かれる物語のため、戦争そのものの描写はほとんどなく、原爆投下のシーンも描かれません。

戦争映画として評価するのは本音を言えば難しいという印象でしたが、少なくとも核兵器を賞賛する映画にはなっていませんでした。

だいち

開発者の苦悩を描くことにより、反戦映画にもなっているバランスかなと…。

とはいえ、飽くまで「オッペンハイマー」は、オッペンハイマーの伝記映画であるので、そもそも戦争映画とは言いづらいと思います。

180分あるうちの6割以上が第二次世界大戦後のシーンとなることや、直接的な戦争描写がないからです。

だいち

終戦=戦争の終わりとは言い切れませんが…。

終戦から80年が経とうとしている現代に、「オッペンハイマー」を鑑賞してどう思うかを話し合ってみるのもいいかもしれません。

再鑑賞

複雑な時系列の構成になっていることから、何度か鑑賞したいタイプの作品だと思います。

内容を正確に理解するためもありますが、豪華キャストの共演や迫力ある映像を繰り返し観てみたいという気持ちになることでしょう。

だいち

このクラスのキャストが揃い踏みすることは、そうそうない!

ただ重たい題材ではあるので、一回観ると再鑑賞はしんどく感じる人もいるかもしれません。

複数回の鑑賞が難しい方は、鑑賞後にしっかり頭の整理をしてみることを、おすすめします。

【オッペンハイマー】あらすじ解説&ネタバレまとめ

全世界で大ヒットした「オッペンハイマー」は、被爆国の日本では公開がかなり遅れましたが、大方の予想通りあらゆる議論を生んでいます。

とても難解な作品ではありますが、一見する価値はある映画です。

終戦記念日をきっかっけに、全国各地で再上映が始まっているので、この機会にぜひ映画館で鑑賞してみてください!

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この記事を書いた人

濱口竜介監督と対談することが夢です。映画を見始めて間もない頃に「寝ても覚めても」を映画館で観て人生が変わりました。それは、今まで鑑賞したどの映画とも似つかわしくない衝撃的な映画体験でした。以後、濱口監督の作品とご自身による作品の分析に毎度感心させられ、映画の得体の知れない深さに驚きます。濱口監督には遥か及びませんが、自分も映画の魅力を伝えられる存在になりたいです!

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