シリーズお馴染みアッキーナが“劇団・清水崇”として毎度無惨な死を遂げる村シリーズ第3段「牛首村」!
果たして本話のアッキーナも、調子に乗って死亡フラグを立て散らかしながら、私たち観客を“村”の内側へと誘ってくれるのでしょうか?
いざ、「牛首村」へと入村していきましょう!
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この記事には映画の結末や重要なネタバレを含む可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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公開日 | 2022/2/18 |
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監督 | 清水崇 |
脚本 | 保坂大輔 清水崇 |
キャスト | Kōki, 萩原利久 高橋文哉 芋生悠 ほか |
音楽 | 村松崇継 |
上映時間 | 1時間55分 |
配給 | 東映 |
公式サイト | 「牛首村」公式サイト |
上映劇場 | なし |
【牛首村】のネタバレあらすじ(ラスト・結末まで)
では早速「牛首村」のあらすじをラスト・結末までネタバレありでご紹介します。
映画を未鑑賞の方はお気をつけ下さい…。
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起:ドッペルゲンガー
雨宮奏音(Kōki,)は父の直樹(田中直樹)と2人暮らしをする高校生です。
容姿端麗な奏音には、香月蓮(萩原利久)というクラスメイトが日々まとわりつきます。
蓮は、奏音に好かれようとあの手この手で言い寄るのです。
ある日、蓮は奏音と瓜二つな女子高生が、生配信中に行方不明になる動画を見つけ奏音に見せました。
奏音には霊感があります。“村シリーズ”お決まり、主人公の霊感炸裂です
動画に映る、自分そっくりの人物に胸騒ぎをおぼえた奏音は、蓮とともに撮影地であった“坪野鉱泉”へと向かいます。
承:坪野鉱泉
富山県に到着したふたりは、山崎(松尾諭)という親切な地元民に出会います。
オカルト好きな山崎の案内で、なんなく坪野鉱泉へと向かうことになった奏音たちは、道中に山崎から日本一やばいとされる「牛の首」の話を聞かされました。
山崎いわく、「牛の首」にまつわる話を知った者は皆死んでしまうので、内容はわからないとのこと
鉱泉への道中には花がたむけてあったり、謎の祠があったりと不穏な空気が漂っています。
坪野鉱泉の付近に、動画の撮影地だった廃墟を見つけた3人は、各々探索を始めました。
奏音は、廃墟のなかで失くしていた記憶がよみがえるような、不思議な感覚をおぼえます。
目立った収穫もなく、廃墟をあとにした3人は、山崎の案内で雨晴海岸へ。
すると、奏音たちは海岸で、海へと飛び込んでいく錯乱した様子の青年・倉木将太(高橋文哉)と出会います。
将太は、奏音の姿を見てひどく混乱しました。
なんと将太は、動画内で失踪した女子高生の彼氏だったのです。
女子高生の名前は詩音といいました。
将太の案内により、奏音と蓮は詩音の家へと向かいます。
転:雨宮家の秘密
詩音の家には、なんと奏音の父・直樹がいました。
そして直樹の隣には、母と名乗る三澄風歌(堀内敬子)がいるのです。
奏音の記憶にない母は、奏音の訪問に全身を震わせ感激します。
両親は奏音に、詩音(Kōki,)が奏音の双子の妹であることを明かしました。
続けて、祖父の三澄実(麿赤兒)が、詩音たちが暮らす村には、かつて残酷な風習があったことを語り出します。
かつて村では双子が産まれる確率が高く、双子の片方は“忌み子”と呼ばれ、7歳になるときに牛の顔をかぶされ穴へと放り込まれ、生き埋めにされていたのだそう。
双子を産んだ女性は“畜生腹”と呼ばれた…ちくしょうばら?やばすぎ
奏音の両親は、村の風習から奏音と詩音を守るため、離ればなれに暮らす決断をしたのでした。
結:詩音救出作戦
詩音が妹であると知った奏音は、何とか助けようと思案します。
そんな折、霊的な力によって山崎と蓮が殺されてしまうのです。
蓮の死に半狂乱になりつつ、“牛の首伝説”と対峙することを決めた奏音。
将太とともに、忌むべき風習が盛んに行われていた時代の「牛首村」へとワープします。
“村シリーズ”の主人公は霊感つよすぎてタイムトラベルできるのがデフォだよ!
“忌み子”が投げ落とされる穴の中へとワープした奏音と将太は、詩音を発見します。
すると、穴の中にもうひとり、生きた人間がいたのです。
女のような見た目のその人は、獣のようにうなり声をあげながら、散らばった人肉に食らいついていました。
獣のような女性の名はアヤコ。かつて“忌み子”として穴に落とされた人
凶暴らしい女・アヤコにおびえながら穴を脱出する奏音と将太、そして詩音。
絶壁の上にたどり着いたとき、詩音がガタガタと震えだし、アヤコの姿へと変わります。
おびえる将太をよそに奏音は、アヤコであり詩音である目前の女を抱き寄せ、崖の下へと飛び降りました。
迷わず後を追った将太もすごいんだぞ
崖は、坪野鉱泉とつながっていました。
奏音と詩音、そして将太の3人は、安堵とともに山を下ります。
…時は経ち、詩音は再び笑顔を見せるまで回復した様子。
はずむ声で奏音と通話をする詩音でしたが、その顔はアヤコのようにも見えるのでした。
【牛首村】ネタバレ解説①:ひどいと言われる理由やラストの意味は
続いて、「牛首村」のネタバレになるシーン、ここでは特に今作が”ひどい”と言われてしまう理由やラストシーンについて解説していきます。
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ひどいと言われる理由はキャストの演技…?
あえて言葉を選ばずに言いますとクソホラーというジャンルがありまして、れっきとした文化でもあるわけですが、本作「牛首村」はこの棚に分類される作品です。
派手さに特化したB級ホラーともまた違いまして、「なんでやねん」を愉しむためにプロが大真面目に作ったものを、ホラーファンは愛をこめてクソホラーと呼んでおります。
上記の理由から「ひどい」という講評イコール「楽しかったです」というのが真意です。
Kōki,さんのご尊顔は凄まじいほどに美しく、時にうら若きころのお父様を彷彿とさせながら恐れ慄くのですから最高に他なりません。
加えて二役を演じてくださるサービスっぷりに、画面中が美しいという幸福な時間が続きます。
後述する芋生悠さんのテクニカルな良芝居は見事ですし、Kōki,さんの芝居も真摯な気合いを感じるものでした。
地毛サラサラ黒髪ロングはJホラーの宝!
「牛首村」ラストシーンの意味は
奏音と詩音の過去を描くとき、「ひとりぼっちじゃ可哀想でしょ」という台詞が頻発します。
双子共通の記憶として、つがいであることが孤独から身を守るすべだったということでしょう。
本作のラストは、詩音であるはずの女性が振り返るとアヤコになっており、上記の台詞をつぶやくというものでした。
奏音たちの言葉を引用するならば、アヤコと、その“つがい”もまた、ひとりぼっちでは可哀想なのです。
詩音がアヤコに変わるラストには、先日観たイシャナ・ナイト・シャマラン監督「ザ・ウォッチャーズ」にも共通する“擬態”というテーマを感じワクワクしました
「牛首村」で打ち切り?村シリーズ続編の可能性は…
YouTuber・アッキーナが心スポ(心霊スポット)凸して死に、メロディアスな名前のついた主人公が事件解決へと奔走する…霊感つよすぎてタイムスリップお手のもの…。
犬鳴・樹海・牛首の3作でシリーズのフォーマットは出来上がっていますから、やる気と根気さえあれば永遠に量産できる気がします。
2023年に「忌怪島」もあったよ。平均評価★2.5あたりの作品群を作り続けてほしい…という勝手なホラーファンの虚な願いもあります
日本には数多の心霊スポットがありますから、清水組ならびにアッキーナにはまだまだがんばってほしいところです!
もうべつに村にこだわらなくてもよくない?
清水崇監督最新作「あのコはだぁれ?」は2024年7月19日公開!
【牛首村】ネタバレ解説②:実話?元ネタになった怪談や事件を調査
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「牛首村」の舞台は富山県に実在する”坪野鉱泉”
昭和の時代を席巻した霊能者・宜保愛子さんが“近寄ることを拒否した”とされる最強心霊スポットが、本作のロケ地である坪野鉱泉です。
富山県は魚津市に沸く鉱泉ですが、水汲み場とは別の「ホテル坪野」という廃墟が本作の主な撮影現場となりました。
過去には実際に、廃墟を訪れた少女たちの失踪事件も起こっています。
霊障ではなく、しっかり犯人がいる事件です
素行の悪い集団の溜まり場としても有名ですので、無闇に訪れないようにしましょう。
「牛首村」の元ネタは「牛の首」という怪談?(諸説あり)
劇中でも山崎(松尾諭)が説明役を担っていた“牛の首”にまつわる怪談ですが、「あまりの恐ろしさに、聞いた者は死んでしまう」というパラドックスが起こっています。
飢饉がひんぱんであった時代に、人肉にさえ喰らいついて命をつむいだとされる逸話が、“牛の首”伝説の根源となっているようです。
本作でも、“穴”に落とされ死を待つのみだったアヤコが、生きるためやむなく人肉を喰む描写がなされていました。
「中身が定かではない・または中身がない」という“牛の首”怪談。それゆえ妄想がふくらんで逆に怖いです。真相にたどり着けない、という点では「古畑任三郎」シリーズにおける“赤い洗面器の男”という小噺がよぎりました
「牛首村」の元ネタ事件は実話?
人身御供(ひとみごくう)と呼ばれる、神への献上行為は全世界的に存在していたと言われています。
映画のみならず、創作物で古くから描かれてきた“生贄”にまつわる物語には「人身御供の事実を後世に残すため」という存在理由もあったことでしょう。
調べてみると、絵画や文献の他に人身御供とされた幼い子どものミイラまで出てきました
少し後述しますが、作中で登場した“忌み子”の設定についても、存在していた(している)可能性をはらむ恐ろしい思考です。
【牛首村】印象に残ったキャスト3選(ネタバレあり)
ここでは、「牛首村」に登場する印象深いキャストを3名、ご紹介していきます。
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①雨宮奏音・詩音/Kōki,
本作の主人公である奏音と、双子の妹・詩音の2役を演じたKōki,さん。
本作が映画初主演でありながら、芝居自体も初めての経験であったというKōki,さんですが、流石の生育環境といいますか、個性的でパワフルな存在感を感じました。
幼いころの記憶をなくし、「欠乏状態にありながらその理由がわからない」という不安を、奏音の一挙手一投足に“暗さ”をまとわせることで表現していたように思います。
そして、とにかく美しい!
美貌のひとの2役は眼福!岩井俊二監督「Love Letter」にて中山美穂を見ていたときの幸福度がよみがえりました
Kōki,さんは2024年にアメリカで公開予定のバルタザール・コルマクル監督「Touch」に、本木雅弘さんや中村雅俊さんといったレジェンドたちと肩を並べ出演しています。
日本だけに留まらない活躍に超期待!
②香月蓮/萩原利久
ずっといいヤツすぎて死亡フラグを肩に担ぎながら物語を展開させていた蓮。
演じたのは、めちゃイケでオカレモンJr.をやっていたほどバキバキの元子役・萩原利久さんです。
手練れな元子役だいすき筆者、もれなく萩原さんがぶっささりました
奏音にまとわりつくさまからはマゾヒズムを感じるほどの自己犠牲が漏れ、蓮というキャラクターのバックボーンをも感じます。
求められる“蓮”像をまっとうした萩原さんのバランス感覚に見惚れました。
萩原さん出演映画「朽ちないサクラ」2024年7月現在公開中!臨機応変な熟練技をぜひスクリーンで!
③アヤコ/芋生悠
食人で命をつないだパワフルな女・アヤコを演じたのは井上淳一監督「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」でも鮮烈な存在感を残している俳優・芋生悠(はるか)さん。
「のあぁあぐぁぎゃあ〜」と言葉にならない声をあげていたのも、長年のサバイバル生活を思わせます
詩音救出後の、アヤコと詩音が入れ替わる畳みかけ(上記画像直後)は、芋生さんの確固たる技術が堪能できる、ナイスな関節技でした。
芋生さんがおこなうのは俳優活動だけでなく、2025年に初監督作品が公開される予定だそう。
クールな印象の芋生さんの、アツい胸中にふれてみたいです!
【牛首村】超怖いシーン・場面3選(ネタバレあり)
ここは、「牛首村」を実際に見て超怖いな…と思ったシーンについて紹介・解説しています。
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①忌み子
まずは耳心地まで最低な“忌み子”という概念が超怖いです。
あわせて“畜生腹”というやばい言葉もノミネート
前述しましたが、双子の片方は忌まわしい存在として葬られるというとんでもない風習は、“おじろく・おばさ”という制度の存在が語り継がれるなど、実在したものである可能性があります。
人間の肉体をいけにえとして捧げることで、神の怒りを鎮めるというような行為は都市伝説でありながら、一方で現実味をもった歴史であることが恐ろしい。
風習や決まりであれば、わが子を手離してしまえるという人間の残酷さは、ホラー作品の中だからこそスパイスとなって楽しめる残虐なものです。
②山崎の死
事故登場という不穏なキャラクターながら、数々の説明をこなし、奏音と蓮を心霊スポットへと誘ってくれる親切な男・山崎。
「ありがとう」の意を込めてか、山崎を盛大に殺すためのガラス張りエレベーターが、突如として物語中盤に登場します。
上下するエレベーターを見た瞬間に、「血しぶきとかよく見えそうだなァ」とわくわくしました
松尾さんの“ぶった斬り甲斐”のある素晴らしい肉付きの上半身がスッパーーンといくカットはナイス・ホラーてす。
「犬鳴村」「樹海村」もグロ描写へのこだわりを感じるシーンは多かったので、ブレないスタンスに感謝です
③食人
前述した芋生悠さん演じるアヤコに課された食人のギミックは、やはり強烈でした。
芋生さんの華奢な四肢で地を這う様子から、おぞましい環境に適応してきたアヤコの決意を感じます。
直接的な食人カットこそないものの、ミチャ…メチャ…という肉の音が、生肉を噛みちぎるアヤコを想像させて怖かったです。
あきらかなタブーであるカニバリズムがもつ、エンタメ的魅力には抗えません。映画って、本当にいいものですね
【牛首村】を実際に鑑賞した感想と評価(ネタバレあり)
ストーリー展開
超絶わかりやすい…というか、「しっかりストーリーを追わなければ」という観客の初期設定を「そんなんじゃないよ」とやさしくほどいてくれるようなエンタメ感が本作のチャームポイントでした。
前述した「なんでやねん」シーンも多く、ツッコミを入れている自分こそが清水監督の手のひらの上で転がされているような、ある種のマゾヒズムを感じることもできます。
時空がゆがむのは“村シリーズ”テンプレ!疑問はかなぐり捨てて楽しむが吉
本作の存在意義は、ストーリーとかじゃないのです。
ホラー映画としての評価
前作「樹海村」で、心霊スポットの登場シーンがなかったことを強く反省したらしいチーム・清水崇。
本作では実際のスポットである坪野鉱泉が登場し、ファンタジーみの強いストーリーラインに一縷のリアリティを添えていました。
筆者個人的には、“食人”というえぐみが添えられていたのが本作のホラー度的に良かったと思います。
村シリーズは怖いとかじゃないからな…怖いだけがホラーでもない、とも思うし…でも「怖い」は大事か…「楽しい」がつよい作風なのでメーターは左端にさせてください
映像に対する評価
例によって霊感爆発系の奏音が、自宅でアヤコと背中合わせになったり、窓ガラス越しに牛になったりと映像遊びが目立つ本作。
窓ガラス越しのカットには傑作「呪怨」のトラウマカットを想起したり
詩音と奏音とが交錯する、廃墟の“エレベーター時空”も絶妙に成り立たせるのは、さすが巨匠の手腕でした。
今気づいたけど本作、エレベーター映画なんですね!
重ねて“例によって”死に際を繰り返すアッキーナも、いつも通り切ない魅力をともなって死に続けていました。
前2作と比べて、アイデア勝負的カットが多かったので、「しっかり成立させる」清水組の根気を感じてうれしかったです。
再鑑賞
これまた酒片手に友だちとわいわい観るのもやらなきゃですな。深夜だとなおよしでしょう。楽しみ!
【牛首村】ネタバレあらすじのまとめ
清水崇作品は、ディテールの細かさで信頼度を担保しています。
映画「牛首村」でも、倉木を追って着衣のまま海に飛び込んだ蓮が、濡れた服を乾かすシーンがしっかり描かれていて好感が持てました。
細部に宿る製作者のこだわりにも注目してみてください!
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